「4回も不合格」それでも東京藝大目指す彼の粘り 度重なる不運に遭いながらも勉強を続けた
東洋経済オンライン / 2025年1月19日 7時40分
それでもどんどん評価が上がっていき、受験直前期には、描いた作品がたまに中段に入るようにもなりました。
しかし、現役の受験では、東京藝術大学美術学部デザイン科デザイン専攻に加え、東京造形大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学を受験して全落ちに終わります。
「周囲の講評を聞いて勉強しながら、講評が終わったあとに先生に自分の作品を見せて、どこが悪いのか、どうすればいいのかを聞いていました。『真剣にやればなんでもできる』と思っていた人間だったので、現役の受験で受かる気満々だったのですが、ことごとくダメでしたね」
東京藝大のデザイン科(2024年度)の入試は、以下の通りです。
1次試験:鉛筆写生(石膏像デッサン・構成デッサン)
2次試験:デザインI 色彩(色を使ってモチーフを構成し絵を描く)デザインII 形体(ケント紙などを使用した立体の形成)
学科(大学入学共通テスト):3教科 国語・外国語・選択科目(地理歴史・公民・理科・数学から1教科)
それでも現役の受験を終えて、浪人しようと思った青野さん。浪人を決意した理由は「一回始めたら結果を出さないといけない」という理由でした。
「受からなかったからしょうがなく浪人を決意したのはありますが、予備校の先生からも『そのまま専門学校に行っても(ただ課題を提出する授業方式のため)好きなように絵が描けないし、潰しもきかない』と教えてもらったんです。2年くらい軽く課題をこなして、いきなり『はい、(自分の力で)就職してください』といった感じになると聞いていたので、当時から『大学には入らないといけない』と思っていました」
1浪で受からないといけない状況に
両親にも、1浪までならお金を出してもらえるという約束を取り付けた青野さんは、なんとしてもこの1年で合格しなければならないと思い、ふなばし美術学院に真面目に通い続けました。
予備校が開くのは朝9時でしたが、毎日のように開校前の7時半〜8時には、いい構図でモチーフを描くために必要不可欠となる場所取りに向かい、夕方までしっかりモチーフと向き合いました。
浪人生活の中盤~後半には先生の言っていることもわかりはじめたようで、評価でも中段をよく取れるようになりました。
しかし、1浪の年も東京藝術大学、東京造形大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学を受験したものの、全落ちに終わりました。
「現役のときと心構えが変わり、サボらずに取り組んだ1年だったのですが、技術はそう簡単には上がりませんでした。まだ絵がうまくなかったから落ちたのだと思います」
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