「40代なのに老害」兆候のある人が始めたい習慣 老人なりの「安らげる居場所」を自分でつくる
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 11時0分
それが閑古錐の円熟味です。
同世代とつるんでもいいことはない
どうしたら、閑古錐になれるのでしょう。
私の経験則から言えるのは、常に心を開き、社会との関わりを持ち続けることだと思います。
特に、そのことを忘れて定年を迎えた男性は、心にぽっかりと穴が空くことが多いようです。悠々自適といえば聞こえはいいですが、仕事にかわる生きがいを見つけられないと、そうなるのです。
「すっかり歳をとったなあ」とひとりぐちりながらテレビをみて、たまに外出すると思えば、同世代の男性とばかりつるみ昔話をする。これは実につまらない。心に穴があくのも当然でしょう。
一方で、定年後もまだまだ社会の役に立ちたいと願い、若い人たちと行動をともにしている人もいます。何かするといっても仕事とは限りません。
「一日不作 一日不食(いちにちなさざれば いちにちくらわず)」
一般的に「働かざるもの食うべからず」と訳される言葉ですが、その訳は適切ではないと私は思っています。働くことばかりが人の「なすべきこと」ではないからです。
「なすべきこと」は、ボランティア活動かもしれませんし、先祖から受け継いだ畑を耕すことかもしれません。いずれにせよ、自分がなすべきことをしたい、誰かのために自分を役立てたいと考えて行動している人は、生きがいを失うことも、老害になることもないのです。
そのためにも、40代のうちから自分の力を、自分のためではなく、これからの社会を背負う若者たちのために使うことを意識してみてください。
シニアのなかには、若者と関わるのが生きがいだと明言する人もいます。
例えば、教育機関で教える人もいれば、学生と一緒に楽器を演奏している人もいる。彼らは自分の知恵や経験を惜しみなく若い世代に伝えています。
若者に「教える」だけではありません。彼らは若者に「教わる」姿勢も持っています。自分だけの世界に閉じこもらず、むしろ若者たちが見ている広い世界に連れ出してもらうのです。
教わる楽しさに目覚めたら、しめたものです。
将棋教室に通えば、小学生にもこてんぱんにやられるかもしれませんが、それもまた新鮮。いきいきとした老後になるか、内へ閉じこもる老後になるか。大きな境目は「教わる」姿勢です。
そのためにも、日頃から新しい世界に目を向けることです。きれいなものに触れたら「ああ、きれいだな」と心を動かし、面白いことがあれば「あれ、面白かったよ」と誰かに伝えましょう。
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