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「フジはヤバい」と追求する側にも潜む"リスク" "性接待"は本当にフジテレビだけの問題なのか

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 12時45分

たとえば、芸能事務所やモデル事務所などは所属タレントを何とかキャスティングしたいし、そのためには担当者に好かれなければならず、万が一にも嫌われたら仕事ができなくなってしまう。

一方、テレビ局だけでなく映画・音楽・舞台などの制作関係者、イベント会社や広告代理店のキャスティング担当者などは強い権限を持っています。また、以前ほどの権限はないとはいえ、写真集やDVDなどの担当者も影響力のある存在といっていいでしょう。

そんな両者の関係性がハラスメントや性被害が発生しやすいリスクに直結。実際、筆者自身、この20年あまり、耳を疑いたくなるような下記の話を聞いてきました。

追求がエンタメ業界全体に広がる可能性

「映画のキャスティング権限を持つ監督による若手女優への性的行為」「複数の俳優による映画配給会社スタッフへの性的なハラスメント」「舞台演出家による俳優への意にそぐわない性行為」「芸能事務所が若手タレントを使って広告代理店のキャスティング担当に過剰な接待」「広告代理店社員とCM出演者によるPR会社スタッフへの性的なハラスメント」。

これらは本人から聞いたもの、伝聞によるもの、筆者が実際に見たものですが、この他にもあり、決して少ないとはいえません。さらにあるエンタメ業界関係者と中居さんとフジテレビの騒動について話したとき、「ちゃんと調べたらウチの業界はもっとひどいかもしれない」「以前から性接待の話はあり、被害者も知っている」と嘆いていました。

また、ある民放テレビマンは「芸能事務所の中には訴えられてもおかしくない人がいるし、実際に『中居さんのように女性トラブルで弁護士を交えた協議になって示談した』というケースもある」と話してくれました。

これらは性別の問題ではなく、権力の格差によるところが大きく、それが発生しやすいのがエンタメ業界の課題と言っていいでしょう。

蛇足かもしれませんが、1人の書き手にすぎない筆者にすら「宴席で両隣に若手女性社員を座らせてお酌させる」などの接待を受けますし、そのことで「何らかのメリットを得ようとする」という関係者がいまだにいるのがエンタメ業界の実情かもしれません。

筆者が知る限り、フジテレビの苦境を他人事とみなすエンタメ関係者は少なく、中には「自分に追求が及ばないか」と不安視している人もいます。メディアと世間の人々の追求が、フジテレビの後は他局に移り、さらにエンタメ業界全体に広がっていくのではないか。そのとき自社は大丈夫なのか。

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