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「フジはヤバい」と追求する側にも潜む"リスク" "性接待"は本当にフジテレビだけの問題なのか

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 12時45分

もし週刊誌に報じられたら……。もし個人から「被害を受けた」と告発されたら……。フジテレビのような後手の対応にならないように、エンタメ業界には独自の調査を行うべき組織が多いのではないでしょうか。

今回、CMを控えた企業は大丈夫なのか

さらに「今回の騒動はエンタメ業界に限った話」とは言いづらいところがあります。

キャスティングに関しては、コンパニオンやモデルの派遣などでも似たところがありますし、その他でもCMやイベントなどの決定権を持つ社員は何らかの過剰な接待を受けたり、ハラスメントをしたりという可能性があるでしょう。

それ以外でも、社内外の人事に関する権限を持っている社員は問題ないのか。たとえば、査定や配属、派遣社員の契約、入社面接、インターンシップなどの担当者は大丈夫なのか。

人間が人間の人生や生活を左右する仕事をしているときは、少なからずハラスメントや意にそぐわない性行為などの悪事が起きやすいところがあり要注意です。

人事以外に目を向けても、飲み会に女性社員を伴うことはよくある形ですが、権力を持つ人の横に座らせ、ホステスのような動きを求めていないか。その際のハラスメントなどを防いでいるか。もし被害が発生したときは十分な対応をしているか。そもそも「取引を成立させるため」という前提で無理強いしていないか。

CMを控えた企業も「ウチは問題ない」と言い切ってしまうと、社員の関与を全面否定したフジテレビの初動対応と同じであり、「疑惑が報じられた際に危機的状況に陥る」というリスクがあります。

組織をより健全化するためにも、今回の騒動をフジテレビのみの問題としてとらえるのではなく、自社で調査してもいいのではないでしょうか。

「個人の悪事」だとしても組織の問題

コンプライアンスの遵守や人権デューディリジェンス(事業における人権リスクの特定や対策、情報開示)が求められる令和の世では、社内のハラスメントが減った一方、受注関係の濃い取引先からの悪質なハラスメントはまだまだあるといわれています。

とはいえ令和の世では、さすがに報じられている組織的な「上納」「献上」ほどひどいものは少なく、その多くが個人による悪事とみられています。

ただ、もし個人による悪事だったとしも、見逃してしまい、適切なフォローを怠れば組織の問題となるのが怖いところ。フジテレビのような経営危機にも陥らないためには、「個人の悪事を生まない。見逃さない。即時対応」などのガバナンスを構築していくべきでしょう。

現在の企業に求められているのは、「社員たちはハラスメントや性加害の被害者にも加害者にもなりうる」というスタンス。フジテレビやテレビ業界だけの問題と決めつけず、あらゆる企業が社員や組織を守るきっかけとしてとらえてほしいところです。

木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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