これからの日本に本当に必要な株式市場とは何か 投資量を増やし株価を膨らませても意味がない
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 8時30分
今回のコラムは「このままでは『日本は失われた40年』へ突入する」(2024年12月28日配信)、「2050年のシン・日本経済システムをデザインする」(2025年1月11日配信)の「第3弾」でもある。掲載されるのは、24日に日本銀行の0.25%の利上げが行われ、その後のアメリカ金融市場の反応も出終る25日だ。
株式市場は「経済には本質的に関係ない」存在?
しかし、そんなことはどうでもいい。なぜなら、0.25%の利上げは為替への影響こそ極めて重要であるものの、多くの読者の関心は「今後の株価はどうなるのか?」にあるからだ。このように、21世紀の日本経済においては、上場株式市場の役割は、90%は過去のものとなっており、おおざっぱに言えば、重要ではないからである。株式市場は、経済には本質的にはもはや関係ないのだ。
これはどういう意味か。
株式資本市場(ここでは取引所を通じて取引をする上場株式市場について議論する)で大切なことは何か。これは学校の授業でも教えそうな基本的なことである。しかし、実務家たちは、まったくそれを忘れてしまっている。わざと気づかないふりをしている。あるいは学ぼうという気すらなかったのかもしれない。
普通なら、大切なことは以下の3つ。「資金の調達機能」「資源の分配機能」「資金の運用機能」である。
まず、資金調達の手段として株式上場する。それが本来の教科書的な上場理由だ。しかし、非上場株などを扱うPE(プライベートエクイティ)ファンドの発達もあり、いまや数兆円規模でも難なく私募市場で調達できる。
日本では、アメリカほどPEファンドのキャパシティ(引き受け能力)はないが、その分、優れた銀行機関がある。政府系金融機関も問題はもちろんあるが、存在意義を賭けて全力で融資してくる。
それに比べ、株式市場では公募で大規模な増資を行おうとする企業はほとんどない。これは日本だけに限ったことではなく世界的な現象であるが、日本はもともと銀行システムが非常に発達していたから、そもそも1949年の東京証券取引所開設以後、本質的にこの直接金融の機能がメインであったことはない。
むしろ、日本で一般的に理解されている東証株式市場の主な機能とは、2つ目の「資源の分配機能」であろう。つまり、将来性のある企業は正しく株式市場で評価され、高い株価がつく。その高い株価を利用して当該上場企業はさらに成長するということだ。
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