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週6出勤「102歳の薬剤師」が毎日"必ず食べるもの" 今も現役の彼女が行う「健康ルーティン」を公開

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 9時0分

目・耳・歯の機能は「お古なりに」(幡本さん)、日常生活を送るのに支障ないくらいに保たれているが、実は、10年ほど前に眼底出血を経験している。

朝起きると、白い壁が赤く見えた。鏡を見たら目が真っ赤になっている。これはただ事ではない。眼科に駆け込むと、眼底出血だった。「数カ月で改善しますよ」と言われたが、数週間もしないうちに回復して医師を驚かせた。

今は日常生活はメガネでなんとかなっている。耳は難聴もなく、歯はブリッジ2本、部分入れ歯2本以外はすべて自分の歯だ。

幡本さんにとって「健康」は自分のためだけではなく、薬局のお客さんのためという思いも強い。この道70余年、薬剤師としての職業意識の高さゆえだ。

開店当初は医薬品を一式そろえ、日常雑貨も扱っていたが、その後、漢方薬を学び、50歳のときに東京医科大学の漢方特別講座の課程を修了。幡本さんは漢方薬の調剤ができるようになり、現在の漢方薬に特化した薬局に切り替えた。

「お客さまの健康を支えるのが仕事ですから、私がよたよたしていては申し訳ありません。何十年来の常連のお客さまは高齢者も多い。『おかげさまで元気になりました』と言われると、とてもうれしくて、この仕事を選んでよかったなあと幸せを感じます」

戦後の高度成長期から働き方改革が問われる令和の現在まで、幡本さんは働き盛りの世代からその後の高齢者世代まで、薬剤師の目でお客さんの健康を見守り続けてきた。時代の変化はどう映っているのだろうか?

「この薬局には、元気な方はいらっしゃいません。疲れがとれないとか、湿疹ができるとか、何かしら不調を抱えている人たち。今の若い人たち、といっても私から見たら50代60代の人たちですが、とにかく日常が忙しすぎるなあと思います」

現代は「誘惑が多すぎる」

しかし忙しすぎるというならば、朝から晩まで働き、「企業戦士」と呼ばれた昭和のサラリーマンもそうである。

幡本さんは「昭和と令和の50代60代では考え方が違うのでしょうけれど、今の人たちは仕事もちゃんとしながら自分の楽しみも絶対に大事にしたいという人が多い。だから、公私ともに忙しいんですね」と話す。

昭和の時代は確かに猛烈に働いていたけれど、今の時代ほど世の中にレジャーや遊びがあふれていなかった。そのぶん、体を休めることができたと幡本さんは考える。

「今は楽しいこともおいしいものもたくさんあって、誘惑が多すぎます。睡眠時間を削っても食事をおろそかにしても、楽しいことに引き寄せられていってしまうのは仕方ないかもしれません。でも、自分の楽しみだからといって、外食ばかりしたり休みの日も出かけてばかりいたりすると、やっぱり体に堪えてくる。体は正直です。たまには家でゆっくりご飯を食べて、1時間でも体を休める時間を作ってほしいですね」

「ゆっくり過ごすことが大事」と言う幡本さんは、何事もあわてないことを心がけている。あわてて歩くと転んでしまうし、仕事でも時間に追われるとミスも増える。出かけるとき、幡本さんは自分の歩ける速度を守っている。

「駅と家のそばの停留所を結ぶバスは、1時間に1、2本しかありません。でも、それに無理に合わせるのではなく、タイミングよくバスが来たら乗って、来なかったら歩くことにしています。バスに乗れなくても、若い人の倍の時間はかかりますが、ゆっくり歩けば着きますから、あわてません」

いつも自分の歩ける速度で歩いて、あわてない。人生後半戦の“歩き方”として心にとどめておきたい。

【もっと読む】幡本さんが102歳になった今も、週6日店に立ち続ける理由…その驚く人生が明かに

【写真を見る】えっ、それでいいの? 102歳の“現役”すぎる幡本さんが「毎日食べているもの」(8枚)

桜井 美貴子:ライター・編集者

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