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日本は後進国?子どもの学力差がつく意外な盲点 なぜ?なに?を伸ばすだけで思考力が身につく

東洋経済オンライン / 2025年1月31日 8時20分

非認知能力は、10歳までに鍛えることが大切です。この時期の子どもが好きなことに出会えたときには、ひたむきに、みっちり没頭することができると言われています。

幼い頃に没頭した経験は、必ず人生のどこかでの成功につながる気がします。そのような体験の積み重なりが、将来への成功につながる「生きる力」を伸ばすはずです。

いま、注目されるSTEAM教育

教育の現場で、子どもたちの非認知能力を育むために近年注目されているのが、「STEAM教育」です。

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの分野を結びつけた教育アプローチです。

5つの分野の横断的な学習を通して、子どもたちは、ただ単に知識を詰め込むだけでなく、自分で考え、手を動かし、新しいものを生み出す「非認知能力」を養っていくのです。

まさに、この教育の根底に、子どもたちのワクワクする気持ちを刺激して、主体的に学びを深め、面白がってもらおうという考えがあります。

非認知能力は、国語や算数や社会など、あらゆる教科で伸ばすことができます。

なかでも、STEAM教育の「S」である「理科」は、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」という好奇心の芽を育て、世界を広げる力となる教科です。

小さな種から芽が出て、茎となり、花が咲く。そんな過程を子どもたちは目を輝かせて観察しますよね。植物を育てる責任感、毎日欠かさずにお世話を続ける忍耐力を、自然と身につけていくのです。

あるいは、川原で石ころを拾ったり、その形や色、手触りの違いに目を凝らす。そして、「この石はどこから来たのだろう?」「どうしてこんな形になったのだろう?」と、疑問を抱く。これは、探究心、観察力を育む、かけがえのない経験となります。

ノーベル物理学賞受賞者の朝永振一郎先生の言葉に、「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です そうして最後になぞがとける これが科学の花です」という言葉があります。

子どもたちの目が輝くような、ワクワクとした気持ちを刺激する学びであふれている教科が理科なのです。

日本の理科教育の現状と課題

私は、これまで30年以上、数学や理科教材など、子ども向けサイエンスコンテンツの作成に携わってきました。

小学生に向けたコンテンツだけではなく、大学入試共通テストの問題作成委員など、日本の理科教育に携わってきた私の信念として、「理科のテストの点数を取れる子をつくるより、理科が好きな子をつくりたい」という思いが根底にあります。

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