日本は後進国?子どもの学力差がつく意外な盲点 なぜ?なに?を伸ばすだけで思考力が身につく
東洋経済オンライン / 2025年1月31日 8時20分
また、中国は、 科学技術立国を目指し、AIやロボット技術などの分野で世界をリードしていますし、 欧州連合(EU)でも、イノベーションを促進するため、STEAM教育に力を入れています。
さらにお隣の国、韓国では、科学技術立国を目指し、国家レベルで理科教育を推進しています。受験戦争が激化していますので、手薄になりがちな理科分野は、受験で差がつきやすいプラスアルファの分野ととらえられており、そのため、幼い頃から理科教育に興味・関心を持たせるための施策が豊富です。
例えば、私とSTEAM教育研究家の小林尚美先生が書き上げた『かがくのふしぎ100』(世界文化社)なども、韓国語をはじめとした多言語に翻訳され、各国で読まれています。
日本の理科教育も、世界的な潮流を踏まえ、より質の高いものへと進化していく必要があると考えています。
理科学習マンガの有効性
私は、理科教育の現場に長年、向き合ってきましたが、日本の理科教育には、子どもたちの好奇心や探求心を刺激するような教材が不足していると感じてきました。
日本では、計算ドリルがよく売れます。どうしても機械的に答えありきの問題を解くことが、子どもたちの家庭学習の主軸になっているんですよね。
家庭において、STEAM教育を実践しようと考える際に、真っ先に思い浮かべるものは、プログラミング教育ではないでしょうか。
プログラミングを家庭で教えるためにはどうしてもハードルが高いと感じられることもあるかと思います。しかし、STEAM教育=プログラミング教育だけではありません。
手軽に家庭でSTEAM教育を取り入れるために、実は、小学生向け理科学習書籍も有効なコンテンツです。
子ども用の理科学習書籍では、子どもたちの「なぜ?・なに?」といった気持ちをくすぐる仕掛けが取り入れられています。
子どもたちが、楽しみながらパラパラとページをめくるたびに、いつの間にか知識が増え、自分でさらに深く調べたくなる。欲を言えばさらに、仮説、検証、考察、そのサイクルまで持っていくことができれば、それはもう立派な研究者の卵ですよね。
また、理科学習書籍のなかでも、子どもたちも読みやすい学習マンガは、ワクワクに満ちた理科の世界への第一歩として最適だと感じます。
『となりのきょうだい』の魅力
『となりのきょうだい 理科でミラクル』は、従来の日本の学習マンガとは一線を画す作品です。
日本の市場では、小学生が理科の内容を楽しく理解するために、内容をかみ砕いて書かれた書籍は、新たに生まれにくいと感じています。
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