「トランプ劇場Season2」エピソード1の見どころ ひとつ間違えば仲間割れで「ハネムーン終了」も
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 8時30分
さて、マーケットの視点からは、トランプ政権とハイテク業界の巨人たち、いわゆる「テック・ジャイアンツ」の関係が気になるところだ。
特に大統領の”First Buddy”(一番手の相棒)を自称するイーロン・マスク氏は、新設の「政府効率化省」を任せられ、文字通り政権に参画することとなった。
大統領就任演説の際はすぐ近くの席にいて、トランプさんが「アメリカ人宇宙飛行士を送り出し、火星に星条旗を立てる」と述べたところで、満面の笑みを浮かべていたものだ。
火星への有人飛行はマスク氏の長年の夢であり、スペースX社の創業者でもある。やがてNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査ロケットを、スペースX社が受注する日が来るかもしれない。これで「利益相反」と言われないのが、この政権の何とも不思議なところである。
元来、シリコンバレーは民主党びいきが多く、IT業界のトランプ支持者と言えば以前はピーター・ティール氏くらいであった。それが今では、門前市をなすがごとく「トランプ詣で」が続いている。
かつてトランプ氏のFacebookアカウントを抹消したメタのマーク・ザッカーバーグ氏は、「ファクトチェックのやり方を変えます」と言ってすり寄ってきた。アマゾンのジェフ・ベゾス氏は、ワシントン・ポスト紙のオーナーを兼ねているが、同紙の論説記事がカマラ・ハリス候補を支持することを強権発動で撤回させている。もっともアップルやマイクロソフトなどの「古株」IT企業は、まだ政治とは距離をおいているようである。
テック・ジャイアンツの変わり身の早さは「合理的選択」
テック・ジャイアンツがトランプ氏の軍門に下るのは、情けない光景ということもできるが、彼らの身になってみれば合理的な選択でもある。トランプ氏は、①大変なワンマン体質で話が早く、②敵味方を峻別するタイプで、敵に回るとろくなことはなく、③以前は対立していても、謝れば許してくれるのである。JDヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官が以前は「反トランプ」であったにもかかわらず、今や政権のナンバーツーとスリーを占めていることが何よりの証拠であろう。
だったらテック業界の巨人たちも、最高権力者にすり寄るのが得策となる。何しろ究極のトップダウン体質であるから話が早い。彼らは日本企業の社長のように、「ちょっと待って、財務部長に相談してから……」などということがない。一緒に「これで行こうや」と意気投合すれば、それですべてが決まってしまうのだ。
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