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外でも快適に「花粉症に悩む人」の正しい治療戦略 重症化予防だけじゃなく、今は「根治」も可能に

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 13時30分

最新の花粉症治療法をアップデートしましょう(写真:Ushico/PIXTA)

花粉の季節がやってきた。花粉症の人にとっては、鼻水や鼻づまりがつらい時期の始まりだ。

【図で見る】スギ花粉症の重症化を防ぐ!(対策例)

だが、治療法はこの10年で進歩し、飛散ピーク時の重症化を防ぐばかりでなく、根治を目指すことも可能になってきた。国際医療福祉大学成田病院(千葉県成田市)耳鼻咽喉科部長で、医学部教授の岡野光博さんに最新の対策を聞いた。

先手必勝の「初期療法」

民間気象予報会社ウェザーニューズの2月2日の発表によると、花粉の飛散開始時期は西日本では2月中旬以降、関東や静岡では来週の可能性がある。また1月15日の発表では、飛散量は西日本や東日本で平年を上回り、特に西日本では過去10年で最多か、それを上回るレベルになりそうだという。

岡野さんをはじめ鼻アレルギー専門医は、「花粉が飛び始めた頃、または症状が少しでも表れたときに医療機関を受診し、速やかに治療を始めてほしい」と訴えている。

これは「初期療法」と呼ばれるコンセプトで、飛散ピーク時の症状を抑えられるという。

「症状があればもちろんだが、症状がない場合でも花粉が本格的に飛び始めたときから薬を使えば、多くの人は苦痛なくシーズンを乗り切ることができると思う」(岡野さん)

初期療法に使われるのは特別な薬ではなく、「第2世代抗ヒスタミン薬」や「鼻噴霧用ステロイド薬」など。花粉症の人なら一度は使ったことがあるかもしれない。

第2世代抗ヒスタミン薬:アレルギーに関わる「鍵穴」をふさいで、反応をブロックする飲み薬。副作用の眠気は比較的少ない

鼻噴霧用ステロイド薬:鼻の粘膜のアレルギー反応や、それに関連する炎症を抑える薬。容器に入った液体、あるいは粉末の薬を鼻の中に噴霧する

これらを早めに使い、アレルギー反応の「鍵穴」そのものを減らし、炎症を消し止めておくと、「鼻の粘膜がおとなしくしている状態」を保つことができるというわけだ。

本格的に飛散が始まって、初期療法の薬で症状が抑えきれなくなったら、薬を変えたり追加したりする。

シーズン中は薬を使い続ける!

初期療法がうまくいった場合、あるいは症状に応じて治療を調整して落ちついた場合の注意点がある、と岡野さんは指摘する。

「症状が出ない日があるかもしれないが、そこで薬をやめてしまうと“鍵穴”が再び増えたり、炎症が再燃したりして、鼻粘膜が花粉に反応しやすくなるおそれがある。スギ花粉症の人は3月末まで、ヒノキ花粉のアレルギーがあれば4月末まで続けてほしい」

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