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サム・アルトマンが描く「知能コストゼロ」の未来 ソフトバンクとAI事業開発へ

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 9時0分

言葉では何度も耳にしているかもしれないが、その理想が彼を突き動かす原点なのだ。

しかし、理想を追求するためには、事業としてのAIを推進していく必要がある。相反するようにも思える2つのコンセプトを、矛盾することなく同時に前に進めようとしているのがアルトマン氏だ。

”事業としてのAI”を日本発で世界に広める

SBGとOpenAIが半分ずつを出資するSB OpenAI Japanは、日本市場に特化した企業向けAIソリューションの開発・提供を目的としたものだ。企業向けAI「クリスタル・インテリジェンス(Cristal Intelligence)」を軸に、各企業が保有するシステムやデータを安全に統合し、個々のニーズに合わせたカスタマイズ型のAIエージェントを提供する。

もちろん、その背景に使われるコアのAI技術はOpenAIが開発しているものだ。

企業内の業務プロセスを自動化・効率化し、例えばソースコードやデータベースの管理、最新プログラミング言語への移行作業、さらには会議や顧客対応、コールセンター業務など、さまざまな業務の自律運用が可能になる。

イベントにおいて孫氏は、AGIが、特に企業向けに特化した形であればという前提で、従来予想されていたよりも早期に、早ければ数年で実現する可能性があると指摘、特に大量のデータを活用する大企業を中心にAGIの導入が進むと予測した。

AGIの実現には、いわゆる質問への回答が賢い言語モデルの構築だけではなく、さまざまなタスクに特化したエージェントの開発が膨大に必要になる。しかし、特定企業の特定事業、業種に特化したエージェントならば、遠くないうちにできるという意味だろう。

アルトマン氏はOpenAIの技術を日本市場に適応させ、大きなプロジェクトを進める中で、グローバル規模でのモデル構築や先端技術の展開を加速できると期待している。日本での先行事例が、世界中の企業の業務変革を支援していくだろうとするコメントは、この提携が”自分たちの理想に近づくため”の一歩だと捉えていることを示している。

知能のコストをゼロに近づけることがAIの使命

アルトマン氏は言うまでもなくAI開発者であり、彼の頭の中はAGI実現に向けてのさまざまなシナリオが詰まっている。東京大学における学生たちとの対話では、そんなエンジニア、テクノロジーのビジョナリストとしての側面が感じられる対話が数多くあった。

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