サム・アルトマンが描く「知能コストゼロ」の未来 ソフトバンクとAI事業開発へ
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 9時0分
「AI時代において、教育者の役割はどのように変化するのか?」という質問に対し、アルトマン氏は「AIが知識の提供を担うようになれば、教師の役割は『知識の伝達者』から『学習のファシリテーター』へと変わる」と指摘した。
すなわち、AIが学習者の知識を補助することで、教師はより深い洞察や批判的思考を学習者に促すような教育スタイルに変化し、新たな知の探索をより深く行えるようになるというわけだ。
アルトマン氏はもう少し近い将来の改革についてコメントした。「AIはリアルタイムで学習者の理解度を測定し、適切なフィードバックを提供できる。学習者に1人ずつ寄り添い、カスタマイズされたカリキュラムを提供できるようになる。これにより教育の質が飛躍的に向上するはずだ」
しかし、こうしたAI機能には”誰もが公平にアクセスできる”必要もある。
AIの活用とは、すなわち知識と教育へのアクセスでもある。その手段を民主化することで、世界中のあらゆる人々が高度な学習を享受できる未来が描ける。
アルトマン氏は「現時点では科学・技術・工学・数学分野での活用が進んでいるが、将来的には芸術や哲学、創造的な分野にも影響を与えることができる」としながら、そのためのコストをゼロに近づけることが、AI開発者としての使命だと話した。
”知能コストゼロ”への道
「AIを可能な限り多くの人に届ける。それが我々の目指すゴールだ」
アルトマン氏は、このフレーズを何度も繰り返した。しかし、遠い理想とは感じていないようだ。
現在の大規模言語モデル(LLM)は大量のデータと計算リソースを必要とする。
アルトマン氏へのインタビューでは、次のような話が出ていた。
「GPT-3からGPT-4への進化は世界に驚きを与えましたが、GPT-4からGPT-5への進化も同様の飛躍となります。現在、われわれが開発しているモデルはGPT-4.5と言えるものです。数字が1上がるごとに、必要な計算量は100倍になってきていたので、GPT-5.5の頃には現在の100倍の計算能力が必要になります」
研究中の次世代モデルは驚くもので、彼は「GPT-5か6の頃には”もう十分。すでに私より賢い”と言えるようになる」と、今後控えているアップデートに言及した。
一方で、AIの知識をどのように使いこなしていくのか。エージェントを充実させていくことになる。”十分な知能の閾値に達した後”は、「さまざまなAI機能を統合し、シームレスに使いこなせるように整えていくことが、次の大きなマイルストーンになる」という。
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