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海運のキーワード「内航船」とは一体なにか? 歴史ある「山形県酒田港」に見る地方港の復権

東洋経済オンライン / 2025年2月7日 17時0分

ランドクルーザー70に乗って取材に訪れた酒田港の本港(筆者撮影)

日本国内の物流を海路から担う、内航船(ないこうせん)。

【写真】物流を陸路から海路へ! いま注目される「内航船」を取材した

そう聞いても、ピンと来ない人が多いだろう。

物流の主力はトラックであり、船による物流の情報は一般的にほとんど知られていないからだ。そもそも、物流そのものについて、一般的な関心は薄い。

ところが、いわゆる「2024年問題」がメディアで大きく取り上げられるようになり、状況が変わってきている。

今回、内航船と港の関係について詳しい話を聞くため、歴史的な商業船舶「北前船(きたまえぶね)」の起点として名高い、山形県庄内地方の酒田を訪ねた。

目的地は「みなとオアシス酒田」

酒田までの移動は東京からクルマで約500km。東北自動車道「福島JCT(ジャンクション)」、東北中央自動車道「山形JCT」を経て、山形自動車道で雪深い「月山IC(がっさんインターチェンジ)」から一般道へ。

国道112号線を走り、「湯殿山(ゆどのさん)IC」付近から山形自動車道 を行くと、眼の前に標高2236mの鳥海山(ちょうかいさん)と最上川(もがみがわ)の自然景観が広がる庄内平野が現れる。

酒田港に着くと、本港(ほんこう)と呼ばれる地区に「みなとオアシス酒田」がある。新鮮な魚を購入したり食したりできる「さかた海鮮市場」、海の博物館「酒田海洋センター」、そして山形県唯一の有人離島「飛島」への定期船発着所など、庄内地方の人々と観光客などでにぎわう場だ。

庄内地方は米の産地であり、庄内発の「つや姫」は全国で人気が高い。そのほか、各種農産物や多種多様な魚介類が採れる“美食の地”としても知られており、近隣空港が「おいしい庄内空港」と名付けられているほど、食に対する自信を持つ地域だ。

そんな「みなとオアシス酒田」エリアにある山形県港湾事務所で、酒田港の過去、現在、未来について意見交換をした。

対応してくださったのは、所長の本間隆氏、副所長・港湾振興室長の工藤正信氏、そして酒田市からは地域創生部商工港湾課の鈴木孟徳氏である。

まずは、モーダルシフトに向けた直近の動きを確認した。山形県は、国内物流の一部を、トラックから海上輸送である内航船にシフトさせようというのだ。

その呼び水として、2024年度(令和6年度)にコンテナ貨物利用の促進助成制度を設けている。特徴は、これまで荷主向けだった助成制度を、航路を担う船社と海貨業者向けに新設したことだ。

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