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過熱する「フジのアナ報道」鵜呑みにする"危うさ" 世間のイメージとのギャップに局アナたちも苦悩

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 8時0分

その他でも、過去に加藤綾子さんがフジテレビの入社面接でセクシーなポーズを要求されたことを報じる記事や、井上清華アナが体調不良で番組を休んだり、小室瑛莉子アナが生放送中に倒れたりしたことを挙げて過重労働を指摘する記事、アナウンサーのカレンダー発売を疑問視する記事など、アナウンサーに関する記事が量産されています。

多すぎる関連記事が本質を遠ざける

なぜフジテレビの疑惑やガバナンスに関するものだけでなく、アナウンサーに関する記事がこれほど増えているのか。フジテレビが女性アナウンサーを接待要員として扱い、「上納していた」という疑惑を週刊文春が報じている一方で、中居氏がトラブルとなった相手は同局のアナウンサーと特定されたわけではありません。

私たちはこの現状をどのように受け止めればいいのか。筆者は長年、各局のアナウンサーに取材してきたほか、13年にわたってフジテレビのアナウンサーたちと共演し、苦しい現在まで話を聞いてきました。それらの経験を踏まえつつ、アナウンサー関連の報道やコメントに対する是非や実情をどこにも忖度せずに掘り下げていきます。

まず、私たちはフジテレビのアナウンサーに関する記事をどのように受け止めればいいのか。

今回の騒動が報じられる以前から、フジテレビに限らず、特に女性アナウンサーに関する記事はネットメディアの定番コンテンツとなっていました。

その内容は、番組出演時などのコメント、SNSへの投稿、さらにインタビュー、ファッションチェック、プライベートのスクープなど多彩なラインナップ。筆者に女性アナウンサーに関する執筆やコメントの依頼が多いことを踏まえても、「一定以上の数字が獲れる」という理由からネットメディアが積極的に扱ってきたことは間違いないでしょう。

さらに現在は、フジテレビの疑惑と危機的状況が重なったことで注目度が飛躍的にアップ。「今、フジテレビのアナウンサーに関する記事をアップすれば通常以上に数字が獲れる」ため、ネットメディアがビジネスのために1本でも多くの記事をアップしようとしています。

中には真偽不明なもの、関連付けるにはかなり古いもの、取り上げる必然性のないものも多いだけに、私たちは何にでも食いつくのではなく、逆に見ないことで、過剰かつ無用な報道を抑制していきたいところ。フジテレビの疑惑や問題を適切に判断し、改善していくうえで、現在のアナウンサーを取り巻く記事の多さはマイナスでしかないように見えるのです。

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