過熱する「フジのアナ報道」鵜呑みにする"危うさ" 世間のイメージとのギャップに局アナたちも苦悩
東洋経済オンライン / 2025年2月8日 8時0分
しかし、これは「世間のニーズがあるから」「それを楽しみにしている人が一定数いるから」にすぎません。本人たちの許諾こそ必要ですが、民放各局が営利企業である以上、ある程度は認めるべきことに見えますし、フジテレビの疑惑やガバナンスの問題などとは無関係でしょう。
もともと女性アナウンサーの芸能人のような扱いは日本中の人々が知っていたことであり、程度の差こそあれ、フジテレビに限った話ではないでしょう。実際に各局がミスコン出身者や芸能活動の経験者などを採用し、メディアはそれを報じ、私たちは見てきました。
しかし、私たちが「アナウンサーのスキルや苦労、プレッシャーやストレスを理解できているか」といえばあやしいところがあります。
アナウンサーがフィーチャーされると必ずといっていいほど「会社員のくせに」「芸能人気取り」などと批判する声があがりますが、本人たちにとってはそれも仕事であり、会社にとっても利益を生むための戦略なのでしょう。
特に現在は苦しい状況だからこそ、「アナウンサーはニュースだけ読んでいればいい」「こんなときにバラエティではしゃぐな」などの批判も目立ちますが、それは正論には見えません。
個人の尊重が叫ばれる時代だけに、本人が希望するのならバラエティやドラマへの出演があってもいいでしょうし、何より他人の職業を枠に押し込めることの危うさを感じさせられます。さらに、さまざまな現場をこなすことで「苦しい状況でもスキルアップにつなげていく」「精神面での安定を得られる」などのメリットもあるでしょう。
一般企業の会社員ですら副業が認められる中、アナウンサーとしてのスキルをさまざまな現場で生かすことの何が悪いのか。苦しい状況だから気さくに振る舞ってはいけないのか。表に出る華やかな職業に見えるため批判の的になりがちですが、「同じ会社員だから」という自分たちの尺度でアナウンサーという職業をはかろうとすること自体に無理がありますし、そんな無理解が本人たちを苦しめている感は否めないのです。
「会社員と芸能人の境界線」に変化
あらためてフジテレビの女性アナウンサーに関する歴史を振り返ると、1970年代に田丸美寿々さんを女性として初めてメインキャスターに起用し、1980年代に入ると今度はバラエティへの進出を促進。「オレたちひょうきん族」で山村美智子さん、寺田理恵子さん、長野智子さんが人気を集めました。
その後、「花の三人娘」と呼ばれた有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さんがアイドル顔負けの大活躍。他局の女性アナウンサーにもタレント化の流れを生むほどの人気と影響力がありました。
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