食べ過ぎても心配無用!? 「食欲の秋」に科学的根拠

ウェザーニュース / 2018年10月15日 6時40分

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秋になると必ず「運動の秋」「読書の秋」などと並んで「食欲の秋」と言われます。なぜ「食べ物の秋」ではなく「食欲の秋」なのでしょうか。やはり秋になると食欲が増すのでしょうか。

秋は基礎代謝が高まっていく時期?

そのカギは人間の基礎代謝にあります。基礎代謝とは、生きるために最低限必要なエネルギーのことを言います。それが高いということは、かなりエネルギーを摂取しないと生きていけないということです。

基礎代謝は一般に夏に低く冬に高いと言われています。つまり、秋は夏から冬にかけて、基礎代謝が高まっていく時期なのです。次のグラフを見てください。

このグラフは、国立栄養研究所(現・国立健康・栄養研究所)の研究員によって発表された論文から抜粋したもので、個人の月ごとの基礎代謝量を表しています。

例えば図の左のグラフはS.S.さんの月ごとの代謝量です。線が4本あるのは、それぞれ1949~1955年、1956~1960年、1961~1965年、1966~1970年の基礎代謝量を分けて記しているからです。

どのグラフを見ても、9月から12月にかけて、平均約6%、最大9%も上昇しており、急激な右肩上がりになっているのが分かります。同論文では、さらに多くの人の基礎代謝量を示していますが、そこでも同様の傾向がみられました。やはり、秋はどんどん基礎代謝量が上がっていく時期なのです。

つまり、夏から冬にかけて、生命維持に必要なエネルギー量が増えていくわけですから、その分エネルギー補給のために食欲が増すということです。「食欲の秋」と言われるようになった起源かどうかはわかりませんが、少なくとも科学的に根拠づけられるというのは面白いですね。

旬の食材がまわりにあふれ、つい色々なものを食べたくなってしまう季節ですが、その分基礎代謝量も増えているのです。食べ過ぎてしまったと後悔したり、後ろめたさを感じるよりも、基礎代謝のせいだと思いきったほうが身体にいいのかもしれません。

参考資料など

大島寿美子他「基礎代謝の加齢並びに季節変動」(『栄養学雑誌』30巻,1972年)

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