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平成史 生活③ 台風直撃でポテトチップス危機 平成28年

ウェザーニュース / 2019年3月15日 11時10分

ウェザーニュース

2016(平成28)年8月は、3つの台風が北海道に上陸し、さらに1つの台風が接近するという異例の年でした。そのため9月上旬から始まるジャガイモの収穫が大打撃を受けました。原料の大半を北海道に頼っていたポテチチップス製造各社は、翌春に終売・休売を決め、店頭からポテトチップスが消えたのです。

北海道に上陸・接近した4つの台風

平成28年8月の台風は、過去に例を見ないコースをたどりました。このうち台風7、9、11号は北海道に上陸し、台風10号は東北地方太平洋側に史上初めて上陸しました。一連の台風で北海道の多いところでは総雨量が800mm以上に達するなど記録的豪雨になり、河川の氾濫や大規模な浸水被害が相次ぎました。そして、その影響は北海道を代表する農作物にも及んだのです。

ジャガイモ、玉ネギ、トウモロコシなどが被害を受けましたが、とりわけ国内の8割近くを供給していた北海道産のジャガイモにとっては大打撃でした。例年、ジャガイモの収穫は9月上旬ですが、ポテトチップス製造各社は原料を調達できなくなったのです。

ポテトチップスが休売・終売

北海道を台風が相次いで直撃した翌2017年の春、ポテトチップス製造各社が休売・終売を発表しました。3月に湖池屋が9品目を休売し、7品目が終売、4月に入るとカルビーが15品目を休売し、18品目が終売、山芳製菓が7品目を休売すると発表しました。当時、この3社合わせてポテトチップスの97%を供給していたのですから、スーパーやコンビニの売り場から大半のポテトチップスが姿を消しました。

ちなみに、「終売」は販売を終了、「休売」は一時的に販売を休止するが時期が来たら再発売するというのです。

中にはカルビーの「ピザポテト」など、根強いファンが支持する人気商品があり、休売発表後にネットオークションで出品されると高値で落札されて話題になるほどでした。

5月以降に一部製品の販売を再開

2017年の3月から4月にかけて休売・終売を発表していた各社は6月から販売を再開しました。5月から九州地方などでジャガイモの収穫が始まったからです。

まず湖池屋が5月29日に「KOIKEYA PRIDE POTATO 魅惑の炙り和牛」の販売を再開。カルビーも看板製品の「ピザポテト」などを6月19日から東日本各地、26日から中日本各地で販売再開しました。

9月になると各社は休売していた銘柄を次々と復活させ、ポテトチップス売り場は賑わいを取り戻しました。

私たちが口にする食べ物は、まさに自然の恵みの産物であり、台風や洪水などの自然災害によって大きく左右されるということをポテトチップスが姿を消した数ヵ月間で、あらためて気づかせてくれたといえます。


2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。

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