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過去最悪の健康状態に、花の咲き方に大きく影響

ウェザーニュース / 2019年6月20日 13時0分

ウェザーニュース

全国4500本の桜を診断!桜健康診断2019

ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、また桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。
健康診断では6つの質問に答えて頂き、その結果の健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しました。◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:3/18~5/23
・参加人数:4,553人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

全国でみる桜の健康度

<ランク>1.26~1.50:優良、1.51~1.75:優良(-)

過去最悪の健康状態に

2011年から全国平均の桜の健康度を見ると調査開始以来、最も悪い結果となり、健康状態は悪化傾向が続いていることが分かりました。
2011年の1.49と比較すると2019年は1.73と0.24健康度が悪化しており、樹勢が衰退傾向にあると言えそうです。

都道府県における桜の健康度

西日本ほど悪化傾向

都道府県ごとの桜の健康度をみると、「優良」のエリアがなくなり、昨年より「正常(+)」のエリアが8地点増加し、健康状態は悪化の傾向となりました。2018年と比較すると、特に西日本ほど「正常(+)」のエリアが増加しています。

健康度をランキングにすると、最も健康状態が良かったのは山形県となり、2位が徳島県に。徳島県は3年連続でトップ3入りとなっていましたが、今年は昨年まで2位だった山形県に逆転されてしまいました。
一方、最下位46位は福井県、45位は岡山県という結果になりました。

花の咲き方が過去最悪に

今回の調査で、全国的に昨年からもっともポイントが下がったのは「花の咲き方」でした。マップで見てみると、西日本のエリアほどワーストの順位が高いエリアが多くなっています。

桜の健康度が低下すると?

健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど気づきません。ただ低下傾向が5年も続くと太枝が2、3本は枯れるリスクがあります。そうすると、春には花の咲き方が寂しい桜となってしまいます。

日本花の会 樹木医 和田博幸さんより

「今年の桜の状況ですが、健康度の低下や花の咲き方を悪くした要因は、厳しい環境(気候)変化の蓄積があげられます。
昨年の夏は高温と乾燥が続き、樹勢が弱っていたところに台風21号と24号の襲来が追い打ちをかけました。台風によって葉が傷み、大枝が折れるなどは、桜にとっては大きな痛手だったと思います。さらに年が明けてからは降水や降雪が少なく、乾燥した状況だったので、今年の桜の開花は、花が楽しめる期間は長かったものの、まだら咲きで、花の大きさがやや小さく、みずみずしくない咲き方でした。樹齢の影響もあるでしょうが、育っている環境の悪化が影響していると思います。
今年は5月から高温の日が続いたりしています。夏の気候がどうなるか?不安です。桜を介して環境の変化を感じ、いくらかでも温暖化をくい止める活動につなげられればと願っています。」

桜の健康診断への想い

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。
私たちには病気の治療や土のマッサージなど手当てを行うことで寿命を延ばすことができます。
春に美しい姿で楽しませてくれるニッポンの桜…皆さんと一緒に恩返ししていきたいですね。 
また来年以降も桜の健康状態の変化を追って、桜を大切にする輪を広げていきたいと思います。

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