味噌の健康効果を効率的に得たいなら 温度調節が決め手
ウェザーニュース / 2019年11月1日 5時30分
これから寒くなってくると、アツアツの湯気が立った味噌汁が欲しくなります。熱い味噌汁をすすると、おなかの中まで温まって体がポカポカします。
しかし、味噌汁の健康効果を十分に得ようとするなら、実はアツアツにしない方がよいといいます。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。
味噌は昔からの貴重なたんぱく源
味噌は昔、肉食が禁じられて魚も手に入りにくい地方では、貴重なたんぱく源として重宝されてきました。「味噌の医者殺し」と言われるほど、健康効果の高い食物なのです。
「味噌の原料である大豆にはたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれます。さらに、麹の働きで発酵することによって、これらの物質の消化吸収が良くなり、栄養価もいっそう高まるのです。
また、味噌は発酵によって『脂肪酸エチル』という物質ができます。これはがんを抑える効果があり、酵母や乳酸菌、麹菌にも同様の効果があるということがわかってきています。1981年に日本癌学会で『味噌汁を飲む頻度の高い人ほど胃がんによる死亡率が低い』ということが発表されています」(柴田先生)
より健康効果を得るなら味噌汁は50℃で
味噌を食べるときに優れた健康効果を効率よく得るにはどうしたらよいのでしょうか。
「日本人の味噌料理と言えば、味噌汁が一般的です。ただ、味噌汁を作る時には注意が必要です。というのも、味噌の乳酸菌は50℃以上、酵母は70℃ぐらいで死滅してしまうからです。そのため、味噌汁を作る時には火を止めてから10分ほどおいて、50℃ぐらいまで下がったところで味噌を溶くと、乳酸菌も酵母も生きた状態で摂ることができます」(柴田先生)
では、アツアツの味噌汁は健康効果がないのでしょうか。
「乳酸菌や酵母が生きていなくても、発酵による健康効果や、大豆が持つ栄養成分がなくなるわけではありません。ただ、生きた乳酸菌や酵母による健康効果、たとえば腸内環境の改善などの効果を得たいと思う方は、50℃程度で味噌を溶いた味噌汁を試してみてください」(柴田先生)
味噌は、古くから日本人が大切にしてきた健康食品です。あらためて味噌の健康効果に注目したいですね。
この記事に関連するニュース
-
徹底比較、旬を迎えたアサリとシジミ、栄養豊富なのはどっち?
ウェザーニュース / 2024年4月21日 5時10分
-
これほど日本人にぴったりの健康食はない…徳川家康もよく食べていた脳を活性化させる"身近な食材"
プレジデントオンライン / 2024年4月20日 15時15分
-
「味噌汁は加熱するから酵素が死んでしまう」は二重に誤解している…発酵食品が健康にいい本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年4月19日 8時15分
-
平気で「減塩味噌」使う人が知らない超残念な真実 「本当に減塩になってる?」ヤバい落とし穴は?
東洋経済オンライン / 2024年3月29日 8時0分
-
【小林弘幸医師が開発】自律神経と腸内環境を整えて健康になる「長生きみそ汁」の作り方
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月29日 7時0分
ランキング
-
1元モー娘、市井氏が議員辞職 参院、在職1日は最短
共同通信 / 2024年4月26日 10時48分
-
2「富士山を遮断」人気撮影スポットに幅20メートルの黒幕を町が設置へ 観光客の“マナー違反”に「最終手段をとらざるを得なかった」 観光客・住民から様々な声【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月26日 13時20分
-
3万博着工遅れで露見した日本の建築士の能力不足「世界を知らない」 一級建築士が証言
東スポWEB / 2024年4月25日 6時18分
-
4「子ども乗せてんのよ!」大炎上“爆走ママチャリ”の危険と“晒す側”にもある問題点
週刊女性PRIME / 2024年4月26日 6時0分
-
5ニラと誤ってスイセンの葉を食べ食中毒症状…無臭で見た目の判別難しく
読売新聞 / 2024年4月26日 7時38分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください