花粉の飛散量は平年の半分以下、暖冬で飛散時期が前倒し
ウェザーニュース / 2020年6月24日 11時23分
花粉まとめ2020 ウェザーニュース
今年は2月から春の花粉シーズンがスタート。5月までにスギ花粉、ヒノキ花粉の飛散は終了し、6月に入って北海道のシラカバ花粉も飛散終了となりました。
ウェザーニュースは、今シーズンの花粉の飛散と花粉症の症状のまとめをお伝えします。
■ポイント ■
・今年の飛散量は昨年の4割弱・記録的暖冬で飛散が前倒しに
・症状は軽く、発症は早い傾向
今年の飛散量は昨年の4割弱
2020年花粉飛散量(昨年比)
ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」による花粉観測によると、今春の花粉飛散量は、昨年の35%、平年の45%になりました。
昨年夏が花粉の雄花の生長に適した天候条件だった東北北部や北海道では昨年並〜昨年より多い飛散量となった一方で、東北南部〜九州では昨年より少ない結果となっています。
これは、昨年夏の日照時間が西・東日本を中心に平年を下回り、花粉の雄花の生育にやや不向きな条件であったためと考えられます。
特に東海〜九州北部では昨年春の大量飛散の反動の影響もあり、昨年に比べて著しく飛散量が減少しました。
記録的暖冬で飛散が前倒しに
花粉数の推移(東京)
今シーズンの花粉飛散は、記録的な暖冬の影響で飛散開始やピーク、飛散終了が早かったことが特徴です。
2月初めに関東や東海、九州でスギ花粉の飛散が始まり、2月中旬にかけて飛散エリアが拡大しました。
2月中旬以降、15°Cを上回る日が増えたことで本格的な飛散が始まり、スギ花粉の飛散ピークに突入。全国的に平均気温が平年を上回った影響で、3月末にはスギ花粉の飛散は終息に向かい、4月下旬にはヒノキ花粉の飛散も終了しました。
今年の花粉シーズンは全国的に平年より早く終息し、2週間程度早く終息したエリアもありました。
症状は軽く、発症は早い傾向
花粉症の症状がつらい人の割合
ウェザーニュースが行った花粉症の症状に関する調査(※)を分析すると、次のようなことが分かりました。
花粉症の症状がつらいと感じている方の割合をエリアごとに見てみると、ほとんどの地域で昨年より5〜9ポイント減少しており、今年は昨年よりも症状が軽い傾向だったことがわかりました。
今年は飛散量が昨年よりも少なかったため、症状も軽い傾向となったと考えられます。
ただし、飛散量の多かった北海道では、つらいと感じている人の割合が4ポイント増加しており、つらいシーズンとなったようです。
なお、山陽や山陰、九州南部では、花粉の飛散量は少なかったのにも関わらず、昨年よりも症状が重い傾向となりました。これらの地域では、飛散開始が平年よりも1週間〜2週間早まったところもあり、対策が十分でないまま花粉シーズンに突入してしまったことの影響も考えられます。
花粉症の症状報告の変化
症状報告の変化を比較してみると、2月は2019年よりも症状がやや重い傾向にあり、今年はつらい症状が出始めるのが早かったことがわかります。花粉症の発症時期に関する調査でも、花粉症の方の約半数が「今年は発症が早かった」と感じており、今年は暖冬により飛散開始が早かった影響で、花粉症の発症時期が早まりました。
つらい症状報告は2月下旬〜3月上旬にピークを迎え、発症のピーク時期も昨年より早くなりました。一 方、昨年のピーク時と比べると、今年はピーク時でもつらいと感じている方の割合が少なく、今年は飛散量が少なかったため、ピーク時の症状は抑えられたと考えられます。
※花粉症の症状に関する調査
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通して、ユーザーに、“非常につらい” “つらい” “ややつらい” “大丈夫”の4つから、選択式で日々の症状を報告してもらいました。2/1〜5/31に全国6,182名から寄せられたのべ90,581通の症状報告から、“非常につらい”と“つらい”を選択した方の割合を調査しました。
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