体の調子を整える 秋におすすめの味噌汁の具
ウェザーニュース / 2020年11月15日 5時52分
実りの秋、様々な食材を楽しめますが、国際中医薬膳師で源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生は味噌汁を食事に取り入れることを推奨しています。秋の味噌汁がよりよい理由、秋にオススメの具材を聞きました。
秋は味噌汁がオススメ
365日食べることができる味噌汁ですが、なぜ秋が特によいのでしょうか。
そもそも味噌は昔から健康食として日本で親しまれてきました。『養生訓』で有名な江戸時代の学者、貝原益軒は著書『大和本草』に、「人生の初めから終わりまで、病気の有無や朝夕を問わず、食事を味噌で整える」といっているほどです。
「なぜ秋から冬にかけて味噌汁がよいかというと、まず身体を温めることができ、冷え性対策に向いているからです。また、秋は便秘になりがちですが、味噌には便通を整える効果がある上、酒や肉魚、野菜などの解毒をする効果もあります。つい食べすぎがちな秋にオススメの食材です」(瀬戸先生)
オススメの味噌汁の具材
【ダイコン】
「すずしろ」とも呼ばれるダイコン。やはり秋から冬にかけてが旬になります。
「ダイコンの種は漢方で『萊菔子(らいふくし)』として、痰の多い咳や消化不良に使われてきました。根も同じように去痰や消化不良によく効きます。ダイコンは刺身のツマに使われるように解毒作用も高いので、食べすぎや二日酔いの翌日朝などに特にオススメです」(瀬戸先生)
【カブ】
「すずな」とも呼ばれるカブは日本や中国で昔から、毎日食べても害が少ない食材として重宝されてきたそうです。
「春と共に秋もカブの旬の季節。その効能は、消化を促す、痰を出しやすくして咳を止める、渇きを癒す、お腹を温める、内臓を元気にするなど。秋から冬にかけて咳の予防や、お腹の冷えなどに特に効くでしょう」(瀬戸先生)
【山芋、長芋】
山芋や長芋は、漢方では「山薬(さんやく)」といい、秋冬の喉や皮膚の乾燥、風邪予防のための体力増強にオススメだそうです。
「体を潤す作用があり、乾燥からくる咳や皮膚の乾燥にも効果的です。胃腸を元気にして、体力を補う作用もあり、その滋養強壮効果から、『山うなぎ』と称されるほです」(瀬戸先生)
【ゴマ】
健康食品として知られるゴマも秋に特別オススメだそうです。
「ゴマは千利休の大好物としても有名で、胡麻の入った味噌汁のことを利休汁といいます。体を潤したり、便通を促進する作用があります。東洋医学では、肺と大腸と皮膚は関連があるとしており、腸が潤っていると、肺や皮膚も潤い、便通をよくしておくと肺や皮膚の調子も整うとされています。乾燥しがちな秋には意識的にゴマを摂るようにしてください」(瀬戸先生)
日に日に冷えていく時季です。肌寒い朝などは、温かい味噌汁で体調を整えましょう。
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