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「神在月(かみありづき)」と呼ぶ場所も たくさんある"10月の異称"

ウェザーニュース / 2023年10月1日 5時10分

ウェザーニュース

10月に入り、何をするにも最適な秋本番の季節を迎えました。そんな10月の代表的な和風月名は「神無月(かんなづき)」です。

『二十四節気と七十二候の季節手帖』などの著者で作家の山下景子さんに、神無月の由来とその他の10月の異称について伺いました。

なぜ「神無月」と呼ぶのか?

「10月は、日本中の神々が縁結びの相談をするために、出雲大社に集まる月と考えられてきました。そこで、各地には神様がいなくなる月、つまり、“神無月(かみなしづき)”が、“かんなづき”になったといわれます。

逆に、出雲では“神在月(かみありづき)”と呼ばれてきたそうです。

とはいえ、ほかにも、新米で酒を醸(かも)すので“醸成月(かみなしづき)”、雷(かみなり)が鳴らなくなるので“雷無月(かみなしづき)”、10より上の数はないので“上無月(かみなしづき)”、神を祭る月という意味の“神な月”など、諸説あります」(山下さん)

その他の10月の呼び名は?

神無月のほかにも、10月の異称はたくさんあります。その中からいくつかを選んで、山下さんに解説していただきました。

【開冬】(かいとう)

「開冬」は、冬の初めという意味です。旧暦では10月から冬が始まるので、旧暦10月の異称としても用いられるようになりました。

ほかに、冬の初めのことを「初冬」「新冬(しんとう)」などともいいます。いずれも旧暦10月の異称として使われますが、開冬というと、いよいよ冬の幕が開くようで、気が引き締まる思いがします。

【時雨月】(しぐれづき)

時雨は、晩秋から初冬にかけて、降ったりやんだりする通り雨のことです。ただ、平安時代頃からは、冬の風物とされるようになりました。

旧暦10月は、時雨が降る月ということで、「時雨月」という異称でも呼ばれます。

和歌では、時雨に人生や心の移ろいを重ねて詠われてきました。

【木の葉月】(このはづき)

旧暦10月は、木枯らしが吹く季節でもあります。

「木枯らし」は、字の通り、木を枯らすように吹く強い北風のことです。木々は、風にあおられ、次々と葉を落としていきます。

いわば、この時期は落ち葉の季節。北風が木の葉を散らしていく月ということで、「木の葉月」という異称もつきました。

【初霜月】(はつしもづき)

「初霜月」も、旧暦10月の異称です。

江戸時代は、霜が降り始めるこの時期のことを、「霜先(しもさき)」ともいいました。

これから寒さが本格化する上に、年末の準備などで忙しくなる時期です。そこで、「霜先の薬食い」といって、この時期のうちに栄養のあるものを食べて、体力をつけたそうです。

【小春】(こはる)

初冬の頃の、春のような穏やかな日は、「小春」と呼ばれてきました。これが、そのまま旧暦10月の異称にもなっています。また「小春月」ともいいます。

それにしても、時雨が降ったり、木枯らしが吹いたり、霜が降りたりするかと思えば、小春日和が続くこともある――。旧暦10月は、さまざまな表情を持つ月といえるでしょう。

【陽月】(ようげつ)

中国から伝わった「陰陽説」では、5月から陰が芽生え始め、10月には陰がきわまり、11月から再び陽が芽生えるとされます。

そうすると、10月はあまりに陰ばかりで不吉なので、「陽月」と呼ぶようになったのだとか。

でも、陽月の「陽」は、太陽の「陽」だと思えるほど、この時期は、やさしい光を注いでくれます。

【良月】(りょうげつ)

古代、10は、満ち足りた数であるとされました。それで、10月は「良月」と呼ぶのだそうです。

そんな理由で? と思ってしまいますが、実際、10月は良い月だったのでしょう。

収穫を終え、まだ寒さも厳しくはありません。


良い月という意味では、現在の10月にも当てはまるのではないでしょうか。空は高く澄み渡り、さわやかな風が吹き、食べ物もおいしい季節です。

存分に楽しみ、充実した良い月をお過ごしください。

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