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二十四節気「春分」 「さくらの日(3月27日)」も近づく名実ともに”春”の頃

ウェザーニュース / 2024年3月20日 5時10分

ウェザーニュース

2024年3月20日(水)は「春分の日」、二十四節気は期間をあらわす場合もあり、今年の春分は3月20日から4月3日までとなります。

春分の日は、太陽が真東から出て真西に沈み、昼夜の長さがほぼ等しくなる日。二十四節気では立春から「春」ですが、天文学では春分の日から夏至(今年は6月21日)の前日までを「春」といいます。

名実ともに春の「春分」をもう少し詳しく見ていきましょう。

春分の日は「彼岸の中日(ちゅうにち)」

春分の日の前後3日間、合計7日間が「春の彼岸」です。春分の日は「彼岸の中日(ちゅうにち)」でもあるわけです。

歳時記では、単に「彼岸」といえば春の彼岸をさし、春の季語として扱われます。

秋の場合も同様で、秋分の日を中日として、その前後の7日間のことを「秋彼岸」「後(のち)の彼岸」などといいます。

彼岸とはそもそも、仏教で迷いのない悟りの境地のことを指します。一方、私たちが今いる世界は「此岸(しがん)」で、迷いに満ちた現実世界です。

やがて、彼岸には、極楽浄土のイメージが重ねられるようになりました。

お彼岸にお墓参りをする人は多いでしょう。日本ではかつて、極楽浄土は西にあると信じられていました。

太陽が真西に沈む春分の日は極楽浄土に最も近づける日と考えられ、春分や秋分と供養が結びつき、これらの時季に仏事が行われるようになったといわれます。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もあります。暑さは秋の彼岸まで、寒さは春の彼岸までで、それ以降はほどよい気候になることをいいます。

「春はあけぼの」がいいわ!

〜春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる〜

これは『枕草子』の書き出しです。

『枕草子』は平安時代中期の女性で歌人の清少納言が綴った随筆です。その『枕草子』は季節に関する話から始まります。

清少納言は春をどうとらえていたのでしょうか。現代語では次のような意味です。少しポップに訳してみましょう。

春は明け方がいいわね。だんだんと白んでいく山際(やまぎわ)の空が少し明るくなって、紫がかっている雲が細くたなびいているのがいいのよ。

清少納言はずいぶんと早起きだったのだな、と思う人もいるでしょうが、平安時代の貴族たちは、しばしば夜更かしをしたといわれます。

そうであるなら、清少納言は明け方まで起きていて、あけぼのを愛(め)でたのかもしれません。

のたりのたりと、穏やかな「春の海」

穏やかでのどかな「春の海」は、俳句にもしばしば詠まれています。

〜春の海終日のたりのたりかな〜

これは江戸時代中期の俳人で画家の与謝蕪村の句です。この「終日」は「ひねもす」と読み、「朝から晩まで」「一日中」の意です。

柔らかな日差しの中、穏やかな春の海が一日中、のたりのたりとうねっている様が目に浮かびます。

3月27日は「さくらの日」

毎年、3月27日は「さくらの日」です。七十二候(しちじゅうにこう)の「桜始開(さくらはじめてひらく)」の期間に当たることと「3×9(咲く、さくら)=27」の語呂合わせから、公益財団法人「日本さくらの会」が制定しました。

桜の花を愛でる風習は、日本の伝統文化の一つです。

花見は奈良時代に梅の花を愛でることから始まったといわれますが、平安時代以降、桜の花を愛でることが多くなりました。

〜世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし〜

これは平安時代前期の歌人で、六歌仙の一人である在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだ和歌です。

「この世の中に、桜というものがまったくなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかだろう」といった意味です。それだけ、桜の花は人の心の落ち着きを奪ってしまうものなのでしょう。


春分の期間中には、年度末を迎え、新年度が始まります。この時季は、年末年始とはまた違った、「始まりの季節」です。

気持ちを新たに、新しいことを始めるのもよさそうです。

参考資料など

監修/山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。

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