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大宮の監督交代に思うこと/六川亨の日本サッカー見聞録

超ワールドサッカー / 2022年5月27日 18時30分

写真:Getty Images

J2リーグの大宮が、霜田正浩監督の解任を26日に発表した。後任には町田や川崎F、鹿島などで指揮を執った相馬直樹氏が監督に就任。今週末のアウェー東京V戦から現場に復帰する。

元JFA(日本サッカー協会)の技術委員長で、J2山口で指揮を執った霜田氏が大宮の監督に就任したのは昨シーズン6月のこと。2勝5分け11敗と出遅れた岩瀬健監督の後を引き継ぎ、第18節の栃木戦からチームを率い、勝ちきれない試合が続いたもののガマン強くポゼッションスタイルのサッカーへと転換を図った。

夏の移籍期間中には徳島からFW河田篤秀を獲得すると、すぐさまエースストライカーとして活躍。19試合で7ゴールを決め、河田がゴールを決めた試合は4勝3分けの無敗でJ2残留に貢献した。

シーズンが深まるにつれ、右SBにはイケメン馬渡和彰が、左SBには翁長聖が定着。右MF黒川敦史、左MF奥抜侃志ら主力選手もほぼ固まり、最終戦の勝利(群馬に3-1)により16位でフィニッシュしてJ2残留を果たした。

捲土重来を期すはずの今シーズンだったが、イバやハスキッチら外国人選手に加え、前述した馬渡(浦和)、翁長(町田)の両SBとCBの河面旺成(名古屋)、黒川(磐田)ら主力選手、とりわけDF陣のレギュラー3人が移籍したのは大打撃だった。

彼らが移籍するのは霜田監督も了解していた節がある。さらに、外国人選手を補強する資金がないことも、新シーズンの獲得選手を見れば明らかだ。こうした「ないない尽くし」でスタートした今シーズンを象徴するのが横浜FCとの開幕戦だった。

アウェーで優勝候補と対戦した大宮は0-2のビハインドから新加入した茂木力也と矢島慎也のゴールでタイスコアに持ち込む。その後も猛攻を仕掛けたものの、決定的なシュートはポストを叩いたりGKの正面を突いたりするなど大宮サポーターのため息を誘う。そしてアディショナルタイムに新加入DF新里亮がPKを与えて2-3で敗退した。

その後も勝ち試合をドローで終えるなど低迷が続き、初勝利は4月16日の第10節・千葉戦(2-1)と大きく出遅れた(この勝利で最下位から21位に浮上)。5月25日の第18節を終えてクリーンシートは第16節の長崎戦(0-0)と18節の琉球戦(1-0)の2試合のみ。いかに守備が崩壊していたかがわかるだろう。

その間には第6節の岡山戦で負傷したGK南雄太の代わりに出場した上田智輝がロングキックを蹴った際に右膝を負傷し、急きょDFがGKを務める緊急事態もあった。GK上田は全治6~8ヶ月の重傷。そして正GKのベテラン南も5月18日のいわて戦で右足アキレス腱の断裂と、相次ぐ不運に遭っている。

シーズン途中には原博実・元JFA技術委員長を強化の責任者に招聘したものの、その効果があったのかどうかは不明だ。これは余談だが、原氏と相馬監督は、年齢は離れているが同じ早稲田大学サッカー部の先輩と後輩である。同じ早稲田ラインなら、元日本代表監督の西野朗氏は原氏の先輩であり、元五輪代表監督の関塚隆氏は後輩であることだけ付け加えておこう。

話を大宮に戻すと、現チームを相馬監督がどう立て直すのか楽しみだ。恐らく現実路線で守備の立て直しからスタートするだろう。そんな相馬監督の要求に応えられる選手がどれだけいるか。

最後に、霜田元監督は、コロナ禍でも練習をメディアに公開し(取材に来るメディアは数少なかった)、会見もリモートではなく対面で実施した。そして、当事者の誰もコロナに感染することはなかった。こうした監督の姿勢とチームの努力による結果は高く評価したい。その積み重ね、エビデンスが近い将来、大宮のファン・サポーターに対して練習公開とファン・サービスにつながることを期待したい。


【文・六川亨】

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