『わろてんか』松坂桃李が、正統派イケメン俳優に収まりきれないワケ
Woman.excite / 2017年9月20日 7時0分
『孤狼の血』制作発表
松坂桃李が10月2日(月)よりスタートする朝の連続テレビ小説『わろてんか』に出演。桃李くんが演じるのは、葵わかな演じるヒロイン・てんの夫、藤吉役で、妻と二人三脚でお笑いのビジネスに奮闘していくという役どころです。
てんは、京都の老舗薬種問屋「藤岡屋」の長女でしたが、旅芸人一座にいた北村藤吉と出会って駆け落ち同然の状態で結婚。そこから大阪を舞台にした人情喜劇が展開されていきます。
藤吉はすごく人間味にあふれた人のいいキャラクターのようですが、近年の桃李くんは、そういういい人キャラから、闇をたたえたダークキャラ、美貌とエロスを武器にしたセクシーキャラまで、役柄の振り幅の大きさに驚かされっぱなしです。
■松坂桃李が正統派イケメン俳優に収まりきれないワケ
桃李くんといえば、長身で甘いマスクに加え、礼儀正しい謙虚な人柄についてもよく知られるところです。ただ、彼がパーフェクトな正統派イケメン俳優というカテゴリーに収まっていないのは、漫画が大好きで休日は家にこもるインドア派。さらには、一人焼き肉などもよく目撃される“ぼっちキャラ”をいとわないタイプのせいでしょうか?
普通の紳士や平凡な男役も彼が演じると味が出ます。実写版『パディントン』では、紳士なクマ・パディントンの吹替えを務めていましたが、予想外にハマっていましたし、『ゆとりですがなにか』のやまじーこと山路一豊役では、“童貞あるある”を絶妙なラインで演じていました。
桃李くんにとって朝ドラ出演は、『梅ちゃん先生』で堀北真希が演じた梅子の夫・ノブ役以来ですが、今回演じる藤吉もノブ同様、人にだまされやすそうなスキのある普通の男のようで。意外とこういうフラットな役柄こそ、俳優としての真価が問われる気がします。
■目で闇を物語れる松坂桃李の挑戦
モデルを経て『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンレッド役で華麗な俳優デビューを遂げた松坂桃李。彼のようなイケメン新進俳優の場合、青春学園ものやラブコメディなどの胸キュンキャラを何本かこなしてから、チャレンジングな役柄にトライしていくのが正攻法な気がしますが、桃李くんの場合は少し勝手が違ったようで。
イケてるヒーローを演じた戦隊モノの映画が公開された同年、桃季くんは『アントキノイノチ』と『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』という2本の映画で、いきなりダークな役どころに挑戦しました。
瞳の奥に焦燥感や孤独感をたたえた闇バージョンの桃李くんがこれまた良くて。決め手は目力ですね。個人的には、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに落ちてダース・ベイダーになったくらいの振り幅を感じました。
その後も、舞台『娼年』で体を張ったコールボーイ役や、『ピース オブ ケイク』でのオカマ役、『エイプリルフールズ』のセックス依存症の外科医役など、「攻めすぎでは?」と思えるような大胆な役にトライし続け、いまに至る感じです。
■『わろてんか』とは対局にある異色作を連打
『孤狼の血』制作発表
2017年度も下半期となりましたが、今年も桃季くんは攻め続けていました。端正なマスクなので、超人的なキャラクターとのマッチング度も高いです。『視覚探偵 日暮旅人』では、視覚以外の感覚を無くした代わりに、それらすべての感覚を目に宿す、という探偵を演じ、「何それ??」という謎の設定に説得力を与えました。
映画『キセキ -あの日のソビト-』では、エッジのきいた役どころで美声を披露。その姿がセクシーすぎる!と話題沸騰でした。また、この秋も、質の高い重厚な作品が続きます。
くしくも同じ沼田まほかる原作のサスペンスを映画化した『ユリゴコロ』(9月23日公開)と『彼女がその名を知らない鳥たち』(10月28日公開)が連続公開。息詰まる展開を見せる2作は、サスペンスでありながら、愛とは何か? を問う、究極のラブストーリーでもあります。
さらに2018年は、新感覚サスペンス『不能犯』(2018年2月1日公開)や、極道系バイオレンス『孤狼の血』(2018年5月12日公開)も待機中。
笑いがちりばめられた「わろてんか」とは対局にある作品がめじろ押しで、そのコントラストが、俳優・松坂桃李の演技力を際立たせていきます。ずっと攻め続ける桃李くんを今後もウォッチングしていきましょう。
(山崎伸子)
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