【鼎談インタビュー】キム・コッピ、石倉三郎、犬童一利監督映画「つむぐもの」の魅力を語る!
Wow!Korea / 2016年3月7日 21時7分
―石倉さんは越前和紙職人役でしたが、体力的にも大変ではなかったですか?
石倉三郎:大変ではなかったですが、難しい。非常に難しい世界ですね。何年も、何年もかかって、一枚漉けるというくらい手すき和紙というのはすさまじい世界ですね。
―脳腫瘍で倒れ、介護が必要となった剛生を演じる上で特に大変だった点はありますか?
石倉三郎:それほど大変ではなかったですね。自分の中で芝居を考えたときに、途中で監督の意向がわかって、コッピちゃんとの3人の流れの中で演じたので、大変だったことは実はないんですね。すんなり演技できましたね。
―普段姿勢の良い石倉さんが剛生を演じた時の背中の演技がとても自然でしたが、犬童監督は細かく演技指導をされたんですか?
犬童監督:福井のパートは2週間の撮影で、その中で1年ちょっとのシーンを撮らなくてはいけなくて。石倉さん、コッピさんのお二人にはものすごく苦労かけました。2週間ですと順撮りは出来なくて、季節を1日の中で何度も撮らないといけなくて…。
石倉三郎:1日のうちに、春のシーンを撮った後に、次は夏のシーン、次は冬のシーンとね。
―作品を拝見すると撮影期間が2週間だとは思えませんでしたが。
犬童監督:各スタッフの努力で、春のシーンは桜を仕込んだり、秋のシーンの落ち葉であったり、色も全部、冬は青くしてとか、頑張ってくれました。
石倉三郎:でも、セミにはまいったね。
犬童監督:セミの音には苦労しました。違和感がないようにセミの音を消しました。
特にヨナの役は、日本語レベルと剛生との距離感が、シーンごとにだんだん変わって行くんですが、それを1日の中でめちゃくちゃな順番で撮影するので、ほとんど出ずっぱりのコッピさんは大変でしたね。
石倉三郎:コッピちゃん、大変だったろう。
キム・コッピ:ええ。
犬童監督:石倉さんも病状がシーンによって違い、気持ちも違うのですが、同じ病院で同じ日に撮影しているので大変だったと思います。
石倉三郎:メイクの仕方で(どのシーンの撮影か)判断する感じで、鏡で顔を見てからの演技ですね(笑)
―先ほど、コッピさんが「石倉さんととても息が合った」と言っていましたが具体的にどんな感じですか?
キム・コッピ:これはなかなか、言葉で説明するのが難しいんですね。でも演技をしながら、俳優同士で分かり合えるものがあるんですよね。演技をしていても、相手によっては、「本当にいま、この瞬間をいっしょに生きているんだな」と思える時もあれば、「別の世界にいる」と感じることがあります。石倉さんとは本当に、「この瞬間、この世界を一緒に呼吸しながら生きているな」と感じました。
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