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【合同インタビュー】名匠イ・チャンドンが認める新鋭ユン・ガウン監督、少女たちの成長物語を描く「わたしたち」の撮影秘話を語る

Wow!Korea / 2017年9月19日 19時22分

―完成した作品を見て、イ・チャンドン監督は何とおっしゃっていましたか?

初めての試写会のとき、わざわざ来てくださり、私は緊張のあまり、目も合わせられず、違う方向を見ながら、あいさつをしたのをいまでも覚えています(笑)。先生は弟子たちのことをなかなか褒めない方で、「この程度ならいいよ」、「やってみたら」という言葉が、褒め言葉にあたるぐらいなんです。でも、「わたしたち」を初めてご覧になった後、「お疲れさま。君の映画だね」と。私にとっては、聞きたい言葉であったし、それが大きな褒め言葉のように思いました。メールでも「上手く仕上がったね。みんなが好きになるような映画でうれしい。映画館の中は静かだったけれど、熱く愛される映画になりそうだ」とおっしゃってくださり、本当にうれしかったです。

―今回「わたしたち」を制作するうえで、参考にした作品などはありますか?

演出や表現方法において参考にしたものは、是枝裕和監督の作品ですね。あと普段は、ジャン=ピエール&リュック ・ダルデンヌ兄弟監督の作品も好きだし、自分が行き詰まったときには、ケン・ローチ監督とか好きな監督のインタビュー記事を読んだりして、俳優とどう意思疎通を図っているのかを研究することもあります。

―その是枝監督から、応援メッセージも寄せられていますが、ユン監督は是枝監督の作品をどうご覧になり、是枝監督にはどんな印象をお持ちですか?刺激を受けた部分などがあれば教えてください。

是枝監督は、良い作品を作り続けているので、フィルモグラフィーを見るだけでも、私にとっては力になります。人物の描き方も素晴らしいし、自分もこう撮りたいなと思わせてくれるすごさがあります。ケン・ローチ監督からもそういう印象を受けますね。是枝監督は人物を描くとき、絶対的な価値を付与せず、この選択は正しい、間違っている、という決めつけた価値判断をしていない気がします。良い行動にしても、悪い行動にしても、見ている側が納得できるような描き方をしていると思います。

そして、テーマの選択も素晴らしいし、人物造形や、登場人物を見詰める姿勢、見守る視点もいいなと思います。新作が出るたびに、期待以上だと思わせてくれます。是枝監督の作品を見ると、生きる力、勇気、慰めをいただけるような気がするし、感情表現の演出においては、常に刺激を受けています。また、子役から自然な演技を引き出すことで有名なので、是枝監督のインタビュー記事は読み漁っています。それで、インタビュー記事から、是枝監督が子役に台本を渡さず、口伝えで状況や心情を説明するという撮影方法を取り入れていると知り、私も今回はその方法でやってみようと。そういう経験は初めてだったんですが、取り入れてみました。今回のプロジェクトで、やって良かったことの一つだと思います。

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