国産旅客機開発、再挑戦にかかる期待
財経新聞 / 2024年3月30日 9時58分
●国産旅客機を官民共同で開発
経済産業省は27日、2035年以降をめどとして、次世代の国産旅客機を開発する案を明らかにした。今後10年で、官民合わせて5兆円の投資を掲げている。日本は航空機の部品メーカーには強みがあるが、日本独自で航空機を作れず、米国ボーイング社と欧州エアバス社の下請けに甘んじている現状がある。
航空機も今後脱炭素化などの次世代機が求められ、アジアでの航空機需要を取り込みたいところである。
MRJ(三菱リージョナルジェット)の失敗を生かし、国産旅客機の開発成功への期待がかかる。
●これまでの国産旅客機開発の歩み
日本はかつて軍用機の開発からスタートし、第2次世界大戦では「ゼロ戦」などの名機が次々と生み出され、活躍した。大戦後、GHQ(連合国軍総司令部)により、製造・開発など航空機に関するすべての活動が禁止された。その後禁止は解除されたが、禁止されていた間に他国との設計・開発の技術差が開いた。
特殊法人・日航製造のプロペラ機YS-11が採用されていた時期もあったが、会社の解散によって廃止された。
2008年から三菱重工業が国産初のジェット旅客機MRJの開発を目指し、プロジェクトを継続していたが、何度も納入延期となり、コロナ禍で事実上開発がストップ。2023年に撤退を余儀なくされた。
●期待と不安
航空機産業は自動車産業よりも部品が多く、裾野が広いため、実現すれば国内の産業発展に大きく寄与することは間違いない。自動車よりも厳しい基準であるため、技術力の高い日本の優位性は高いとみられている。ただMRJの失敗から1年での再挑戦は、不安の声も大きい。
安全認証の難しさや海外事業者の対応など課題が浮き彫りになり、採算が取れず断念せざるを得なくなった。そもそも開発費予算が足りないという指摘もあった。
現在日本の航空宇宙生産額は売上高2兆円(2019年)だが、これはトップの米国の25分の1に過ぎない。民間航空機市場は年率3~4%の旅客需要増加が見込まれており、まだまだ伸びしろのある分野である。
成長しない国と言われている日本にとって、ゲームチェンジャーになる可能性は秘めている。
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