久方ぶりのヒット期待商品出現、介護商品企業:幸和製作所に期待したい理由
財経新聞 / 2024年4月13日 9時3分
私事で恐縮だが、(介護度1の)104歳になった親父の杖歩行が極めて危ない状況になってきた。「歩行車を使おうよ」と繰り返しても、「そんな物は知らんし、いらん」と頑な。転んで骨でも折ったら入居している施設にも迷惑がかかる。
とにかく、歩行車の類を調べておこうと幸和製作所(東証スタンダード)のHPを覗いてみた。福祉・介護用品の製造販売を手掛ける幸和製作所は、歩行車で首位。歩行車(介護保険適用)・シルバーカー・杖・入浴補助用品・排泄介護用品etc、その取扱い範囲は広い。
今年に入り「ジスタ(介護保険適用)」という「駐車ブレーキが必要ない」歩行車も発売している。歩くときに手を置くグリップを離すだけで、自動的にブレーキが利くという。知識だけは得た。今度親父を訪ねる際は、HPを諸々コピーして持って行って口説こうと思う。
幸和製作所を一歩踏み込んで調べてみようと考えた。収益動向に興味を覚えたからである。
介護施設や、介護が必要な人たちが生活するための在宅用が需要先の大方。「コロナの影響を受けただろうな」と思った。が、2021年2月期は13.0%の減収も「営業利益:3億8800万円、純益:3億8900万円」を計上。
その後も「9.6%増収、40.5%営業増益、3.0%最終増益」「9.6%増収、22.1%営業増益、9.3%最終増益」。そして「1.3%増収、6.2%営業増益、4.0%最終増益」計画で立ち上がった今期は、10月11日時点で「6.7%の増収(66億9100万円)、84.9%の営業増益(12億円)、2.05倍の最終増益(9億100万円)」に上方修正。
「原材料費上昇に伴う、製品への価格転嫁。徹底したコスト削減効果」と説明されたが・・・いささか安易すぎる。第3四半期に子会社が展開していた関東圏のレンタル事業の売却に伴う、譲渡益(約7600万円)特益計上も記すべき。構造改革の進捗は重要な施策だからだ。それに構造改革といえば、前記した3月発売の「ジスタ」の意味するところは大きい。
幸和製作所の20年2月期は32.4%の増収も「1億3500万円の営業損失、3億6700万円の最終赤字」に沈んでいる。その背景を当時の決算資料は「M&Aによる子会社の増加負担」と説明している。言い換えると幸和製作所はこの間5年余にわたり、ヒット(新)商品を送り出すことが出来なかった。対して斯界では早くも「次期、ジスタ効果大」と指摘されている。
本稿作成中の時価は1500円水準。昨年末に1620円まで買い進まれた後の調整場面。押し目買い姿勢で「ジスタ」効果が確認できるまで見届けるのが賢明ではないか・・・
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