主力介護事業堅調 カラオケ・飲食事業の黒字化を急ぐウチヤマHDの足元
財経新聞 / 2024年4月22日 17時4分
ウチヤマホールディングス(東証スタンダード。以下、ウチヤマHD)。介護・カラオケ・飲食が3本柱。
コロナ禍に晒されたカラオケ・飲食事業の遅々たる回復で、前3月期まで営業損失・最終赤字を余儀なくされてきた。が今2024年3月期は「11.8%増収、10億営業黒字」計画で立ち上がった。しかし期中に下方修正。「7.1%増収(288億2800万円)、5億2400万円」予想に。第3四半期の決算資料は「依然、カラオケ・飲食の戻りが鈍い」としている。
具体的には「介護事業:既存施設の平均入居率91.3%と安定的に推移。売上高前年同期比6.1%増収(170億31093万円)、63.9%営業増益(12億1048万円)。カラオケ事業:21.0%増収(37億740万円)も、回復傾向とはいえ営業損失2億4945万円。飲食事業:も同様に41.3%増収(5億312万円)だが営業損失1785万円に止まった」。
カラオケ・飲食事業の回復が今後の課題であることは言うまでもないが、介護事業の堅調な推移は当然不可欠。
そんな最中、介護事業の足元を確認する意味からも山本武博社長に話を伺う機会を得た。介護事業は介護付有料老人ホームを中軸に計121拠点(4月1日現在)を運営している。業界7位の規模だ。こんな話を聞いた。
「施設の空きスペースを活かしてスタッフと入居者が“畑”を始めた。施設長から申請は出されたが、その時点で畑は既に始まっていた。うちの場合、トップダウンで施設の新しい展開が始まるケースは、ほぼ皆無。現場主導。畑の情報は共有されるので、第2・第3の“畑施設”が・・・。我々の事業は地域との密なる関係が不可欠なので願ってもない方向だと認識している」。
介護業界は「離職率が高い」と指摘される。その背景として他業種と比較した場合の「低賃金」が挙げられている。ウチヤマHDの場合はどうか。
山本氏は「働き甲斐を持ってもらえることが大前提。そのためにも施設長の冷静な判断を基に、給与に反映する認識で臨んでいる」とした上で、こうも言及した。「先々にスタッフが蓄えを整備できるように、(当社側が原資を出す形の)確定拠出年金制を導入している」。
昨今大手製造業などで「退職者の再就職歓迎」といった動きが話題となっている。ウチヤマHDでは「ふるさと制度」が導入されている。一度退職したスタッフが再就職を希望する際には、「退職時と同じ条件で採用する」という。
本稿作成時の時価は300円台半ば、予想税引き後配当利回り2.26%。年初来安値348円(2月中旬)+α水準。カラオケ・飲食事業の黒字化動向を見定めながら、まずは現時点の好配当利回りを享受するべきか・・・
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