視聴率1位争いは僅差 2019冬ドラマ中間チェック

2019年2月22日公開

1月にスタートした2019年の冬ドラマ。すでに折り返し地点を過ぎて視聴率の良し悪しが見えてきたものの、トップ争いでは「断トツ!」という作品はなく、11~10%台で6作品がダンゴ状態となっています。その中のトップ2作品と、ネットなどで話題になって盛り上がってきている作品をピックアップ。人気の秘密や話題のネタとともに紹介します。

『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)

主演は沢村一樹

『刑事ゼロ』は、優秀な刑事だったが、ある事件がきっかけで刑事になった直後からの20年間の記憶を失ってしまった時矢暦彦(沢村)が、コンビを組む新人刑事・佐相智佳(瀧本美織)とともに、五感と洞察力で事件を解決へと導いていく姿を描くもの。脚本は、『相棒』『科捜研の女』『スペシャリスト』などのヒット刑事ドラマを手がけてきた戸田山雅司氏が担当している。

僅差ながら冬ドラマ視聴率トップ

初回から7話連続で2桁キープ

ドラマ「刑事ゼロ」(木曜後8・00)の第7話が21日に放送され、平均視聴率が10・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが22日、分かった。
初回は14・7%で、99年にスタートした木曜ミステリー枠の新シリーズ初回の歴代最高をマーク。第2話10・5%、第3話11・9%、第4話12・1%、第5話10・7%、第6話11・3%と好調をキープしていた。

第7話までの全話平均視聴率は11.7%。2位とは僅差ながら、1月スタートの冬ドラマの中でトップの視聴率となっています。

ズバズバ解決していくストーリーが人気

時矢(沢村)と智佳(瀧本)の凸凹コンビも評判

人気の秘密は、沢村ふんする“記憶を失くした刑事”時矢歴彦が、ズバズバ解決していくストーリーが第一にあるが、時矢が記憶喪失であることを周囲にバレないように、瀧本美織ふんする佐相智佳がフォローするのだが、記憶というタガが外れて自由奔放になってしまった時矢と、真面目一徹な佐相の凸凹コンビも評判がいい。

大ゲンカシーンでは息の合ったアドリブ合戦

第7話の時矢と智佳が大ゲンカするシーンはアドリブ合戦だったとか。

第7話では、時矢と智佳が大ゲンカ。コンビ解消の危機が2人に襲いかかる。
この大ゲンカシーンの撮影では、沢村と瀧本が絶妙な掛け合いを披露し、息の合ったアドリブ合戦を繰り広げた。カットがかかった瞬間には、スタジオ中が大爆笑に包まれていた。

“ピフォー&アフター”を演じ分ける沢村の高い演技力

ドラマの中で記憶を失う前の「できる男=ビフォー時矢」と、失った後の「ビビリ男=アフター時矢」を演じ分ける、沢村の高い演技力にも注目が集まっている。
「2017年に放送され人気を呼んだNHKの朝ドラ『ひよっこ』でも、沢村は記憶を失った女優・有村架純演じるヒロインの父親役を好演。この時も記憶を失った『ピフォー&アフター』を見事に演じきりました。当時に想いを馳せて観ている視聴者も、かなりいるのでは」(女性誌記者)

「魅力的なおじさま」沢村の硬軟両方の顔が見応えあり

『女性自身』のドラマ好き女性記者による座談会の記事でも沢村の魅力について言及されています。

A「実は、今期の刑事ドラマにはほかにも魅力的なおじさまがたくさん出てるんですよ」
B「『刑事ゼロ』の沢村一樹も50代だから立派なおじさまだもんね。敏腕刑事の主人公が記憶喪失で別人みたいになっちゃう設定も斬新! 沢村の硬軟両方の顔が見応えあり」

極端な設定による違和感を打ち消す個性

ドラマ解説者の木村隆志氏による初回放送後の寸評では…

「刑事になってからの記憶をすべて失ってしまう」という極端な設定だが、沢村のパーソナリティーで違和感はゼロ。序盤はバディの瀧本が魅力に欠けるキャラだけに、早々の改善が求められる。記憶を失った理由にどう必然性を持たせるか。脚本家の腕が試される作品だ。

『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)

北川景子が主演を務める人気シリーズの続編

本作は、2016年7月期と2017年5月のSPドラマで放送された『家売るオンナ』シリーズの続編。北川演じる伝説の不動産屋・三軒家万智を主人公に、彼女が顧客の個人的な悩みや問題にも容赦なく関わりながら、家という人生最大の買い物を型破りな方法でダイナミックに売りまくる姿をコミカルに描いていく。

視聴率は第7話まで全話2桁キープ

『刑事ゼロ』と僅差の2位

ドラマ「家売るオンナの逆襲」(水曜・後10時)第7話の平均視聴率が11・0%だったことが21日分かった。
初回は12・5%を記録し、2016年7月期に放送された前シリーズの初回12・4%を上回る好スタート。第2話は12・9%、第3話は11・4%、第4話は10・7%、第5話は11・5%、第6話は11・2%と推移。今回は0・2ポイント微減したものの高水準を維持した。

第7話までの全話平均視聴率は11.6%で、『刑事ゼロ』に続く高視聴率となっています。

複雑な社会問題を次々と解決していく痛快さ

五話までで、熟年夫婦の住み替え問題、炎上YouTuber、独居老人とネカフェ難民、LGBTを取り巻く問題など、日本社会が現在進行形で抱えるさまざまな事象に焦点を当てている。どの内容も心温まる人間ドラマになっていながら、現実では解決の難しい複雑な問題を三軒家が独特の理論で次々と解決していくのが痛快だ。
特に第二話の独居老人とネカフェ難民の回は冴えていた。

愛すべき異様なキャラクター・三軒家万智

『家売るオンナの逆襲』は、ツッコミどころはたくさんあるものの、楽しい作品であることには間違いない。非の打ちどころのない美人女優である北川が、前作と比べ奇行のパワーアップした三軒家を全力で演じる姿はギャップがありすぎて笑いを誘う。
三軒家という「笑わない」異様なキャラクターが強烈すぎて、違和感を抱く視聴者もいるかもしれない。しかし、夫で課長の屋代(仲村トオル)を大切に思うあまり、食事を各国のフルコースにしてしまったり、落ち込んでいる屋代を「夫の愚痴を聞くのは妻の務め」と無表情で励ましたりと、不器用すぎるが一生懸命な人物でとても応援したくなる。

夫に懇願されて笑顔を見せるシーンに男性視聴者が興奮?

万智とダンナ役の屋代(仲村トオル)の今ひとつかみ合わず、つい笑いを誘う夫婦の会話シーンも、『逆襲』を盛り上げている要因のひとつでしょう。前作を通して決して“笑わない女”という設定の万智が、夫でもあり、職場では課長の屋代にだけは、懇願されて笑顔を見せるという大解禁シーンもあり、《課長ばっかりずるい!》といった声があがるなど、興奮冷めやらぬ男性視聴者も多かったみたいですね。

ユーモア溢れる脚本と演出

第5話での伏線回収やコミカルな掛け合いが高評価

万智のライバルとして今シーズンより登場した謎の存在、松田翔太が演じる留守堂謙治。その正体や万智との関係が明かされた第5話について、脚本と演出を称賛する記事が目につきました。

謎だらけの留守堂謙治(松田翔太)の正体もようやく判明。田部(柄本)と万智(北川)を加えた3人が実は小学生時代のクラスメイトだったのだ。留守堂は田部(柄本)にも勝る“ブス&ドジ”ランク1位で、ドジ助と呼ばれていて整形し名前まで変えていたという驚きの展開だった。
初回からの様々な伏線が一気に回収。視聴者からも、ネット上で〈今回はいろいろなものが詰まった、面白さ一番の回だった〉〈早く続きが見たい~〉などの声があがり、評判は上々。
ゲスト出演の柄本時生と北川景子とのやりとりは実にコミカルなものだった。柄本の演じる個性溢れる役と北川が演じる万智が作り出す愉快な掛け合いを見せた演出は見事。また足立(千葉雄大・29)が留守堂に「ほんと」と真顔と笑顔を交互に繰り出す姿には多くの視聴者が悩殺された。魅力的な俳優陣に加えて、ユーモア溢れる脚本と演出には多くの視聴者が満足したことだろう。
子ども時代の留守堂に万智が人工呼吸していたことも明かされ、その時の息が“餃子の味”だったというセリフに「人工呼吸は餃子の味ってw」「人工呼吸で餃子の味ってヤダw」などツッコミが殺到。「絶対真面目に恋愛ドラマしねえぞってとこすこ…ついこの間まで大恋愛書いてた脚本家なんだよな」と脚本を担当している大石静を讃えるツイートも。

パワーアップした「テーコー不動産」の面々

「テイコー不動産」の個性的な社員たちは前作に引き続き健在。
今作から新規加入した今どきの若手コンビ・鍵村(草川拓弥)と床嶋(長井短)も、少々極端ではあるが「こういう若手いるなぁ」と納得の2人。覇気がなく人を食ったような態度の鍵村と、仕事中に平然と居眠りをするやる気のない床嶋。どちらも好感が持てない憎たらしいキャラクターたちだが、三軒家マジックでどう変化していくのか楽しみである。

「AI家売るオンナ」が人気

LINE友だち登録者数10万人突破

ドラマ『家売るオンナの逆襲』(毎週水曜 後10:00)では現在、北川演じる“天才不動産家”三軒家万智らテーコー不動産メンバーと会話できるAI『家売るオンナ』を実施中。そのともだち登録者数が昨年12月27日のリリースから約1ヶ月半で10万人を突破したことがわかった(18日15時現在 10万1229人)。
同サービスはLINE公式アカウント上にてユーザーが会話をはじめると、まるで万智たちが働くテーコー不動産新宿営業所のLINEグループでチャットをしているかのように、万智や夫の屋代大(仲村トオル)、同僚の庭野聖司(工藤阿須加)、足立聡(千葉雄大)のAI キャラクターが返答するというもの。

白洲美加のなりきりインスタが話題

絶妙な“ウザさ”がファンに好評

イモトアヤコが演じる白洲美加のインスタグラムに、千葉雄大が登場。千葉が演じる足立聡がバーで熱唱している瞬間を捉えたショットが投稿された。 同アカウントは、イモトが役名の白洲美加として開設したもの。これまでに、頭に大きなリボンをつけた自撮りや、1話で主人公の三軒家万智(北川景子)が用意したイモムシの天ぷらを前に、何も知らずにぶりっ子ポーズをとる姿などが投稿され、その絶妙な“ウザさ”がファンを楽しませている。

『おっさんずラブ』の「武蔵の部屋」を研究して開設

昨年大ヒットしたドラマ『おっさんずラブ』のプロデューサーと本作のプロデューサーによる対談記事によると…

『おっさんずラブ』は、あのクールで一番楽しく見ていました! 今『家売るオンナの逆襲』では白洲美加(イモトアヤコ)目線の「白洲美加の世界」というインスタをやってるんですけど、それは『おっさんずラブ』の「武蔵の部屋」を研究して立ち上げたものです(笑)

『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)

菅田将暉が念願の教師役に初挑戦

菅田演じる美術教師・柊一颯が、卒業直前のタイミングで、永野芽郁演じる生徒・茅野さくららを人質にとり、数カ月前に自ら命を落とした景山澪奈(上白石萌歌)の死の真相について授業を行うという衝撃の学園ミステリー。
毎回、柊一颯が“俺の授業”と呼ぶ謎解きは過激で、決して“正しい”手段とはいえないが、思考停止に陥りがちな今だからこそ、将来ある生徒たちに「自分の頭で考えろ!」と徹底して促していく。

ジワジワと話題に 視聴率も上向き

2週連続で自己最高を更新

第7話が17日に放送され、平均視聴率が11・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが18日、分かった。
初回は10・2%で、第2話10・6%、第3話11・0%、第4話9・3%、第5話10・4%、第6話11・7%と推移。前週から0・2ポイント上昇し、またまた自己最高を更新した。

第4話は裏番組の「嵐による記者会見」が影響か

好調な視聴率をキープしている本作ですが、第4話で唯一の1桁台(9.3%)を記録しているため、「これまで全話2桁」とはなっていません。これにはある背景があったようで…

第5話が2月3日に放送された。平均視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、第4話で記録した9.3%から1.1ポイント回復。やはり前週は、2020年末での活動休止を発表した嵐による記者会見の様子を、裏番組の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)が速報で伝えていたことが『3年A組』の視聴率に影響したとみられる。

「続きが気になって仕方ない」つくり

回を追うごとに“素顔”や“思い”が明らかに

テンポの良いドラマ展開と、回を追うごとに生徒たちの“素顔”と教師・柊の“思い”が明らかになっていき、視聴者を魅了している。
初回からショッキングな描写が続く同作だが、実は一颯は誰も殺していない。生徒たちも「先生は私たちのためにこんな事件を起こした」のだと徐々に気づいていく。視聴者も最終回まで継続して見たくなる、まさに「続きが気になって仕方ない」つくりが秀逸だ。
刑事や婚約者の父などの協力を得て、おそらく入念に今回のことを計画してきたであろう一颯は、病気で余命僅か。各話ごとに違う生徒にスポットが当たり、次から次へと新事実が発覚していくが、設定そのものは案外わかりやすく、とっつきやすい作品でもある。

菅田演じる柊一颯の「演説」がアツい

毎話、一颯の演説シーンがアツい。
「過去の自分が、今の自分を救う! だから、過去から目を背けているお前も、お前も、お前も、極めて幼稚なガキのまま成長が止まってるってわけだ! そんな奴らが一体何から卒業するって言うんだよ!」
「悪意にまみれたナイフで穢れなき弱者を傷つけないように、変わるんだよ! 変わってくれ……」
一颯の語るような“正しさ”を持つことは大人でも容易ではないが、菅田将暉の演技には、説得力がある。

第7話では教師にも“説教”

17日に放送された第7話では、菅田演じる柊一颯が、まさかの教師に“説教”を行った
毎回、クライマックスには、人生経験未熟な生徒たちに説教を行う一颯だったが、その対象が今回はまさかの教師に。SNS上では「今日も柊先生の言葉、素敵でした」「心に突き刺さった名言」「全く当たり前のことを言ってるのに、それを聞く機会が限りなく無いに等しいからなのかすごくかっこよく聞こえる」といった反響が寄せられている。

「世界一怖い壁ドン」 第6話では菅田と福原遥の演技が話題に

第6話では、菅田と元水泳部の水越涼音を演じる福原遥による迫真の演技がネット上で話題になりました。

「この動画が世間に広まったら坪井先生がどんな目に遭っていたのかよく考えたのか? なあ、考えたのか!」
「お前の不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられ、本人が、家族が、友人が、傷つけられたかもしれないんだ」
「お前の言葉ひとつで簡単に、命を奪われるってこと忘れるな! お前らも絶対忘れるな」
安堵する涼音に柊は激怒。涼音の軽はずみな行動で坪井の人生がめちゃくちゃになる可能性があったことを糾弾する柊と、柊の迫力に震え上がるように涙を流す涼音のシーンに、ネットユーザーからは「引き込まれる」「お芝居なのに本当に怖い」「まいんちゃん(福原が子役時代にNHK『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で演じていた役名)もこんな演技ができるようになったんだね」といった声が寄せられた。
視聴者から「世界一怖い壁ドン」「めっちゃ怖い」「圧巻の演技と気迫」などの声がネット上に殺到。ツイッターでは「菅田将暉の演技」というワードがトレンド入りした。

生徒を演じる若手俳優たちの演技も高評価

永野芽郁、川栄李奈、今田美桜、片寄涼太らが菅田と演技バトル

菅田の熱演に負けず劣らず、上に挙げた福原をはじめ、3年A組の生徒を演じている若き役者たちの好演も評価されています。

これまでの回でも、永野芽郁、川栄李奈、今田美桜、片寄涼太らがそのステージに立ち、激しい感情をほとばしらせる菅田との圧巻の演技バトルを披露してきた。
菅田にくらいつこうとする若手俳優たちのこの作品にかける想い、演技への真摯な姿勢がしっかりと視聴者に伝わっているようだ。
ヒロインの茅野さくら役を演じる永野芽郁は、朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合/2018年度上半期)で既に名が知れていて言わずもがなですが、第1話で見事な泣きの演技で口火を切り、第2話では宇佐美香帆役・川栄李奈(彼女も売れっ子だけど)が柊を威嚇する声はビリビリと空気が震えるようで、手で前髪をくしゃくしゃにしながらボロボロと泣く様子がまたお見事。
続く第3話の里見海斗役は、昨年『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系/2018年)で学園を牛耳る「C5」の1人を演じた鈴木仁。
第4話で甲斐隼人役を演じたGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーで最近は俳優業にも進出している片寄涼太とともに若干拙くはあったけれど、鈴木仁が自虐的に顔を歪ませる様子には雰囲気があったし、片寄涼太の暴れて吠えての熱演も良かったです。

これらのほかにも、生徒を演じている若手俳優たちに関する記事がいくつかきています。

今田美桜の“号泣&絶叫”演技に反響

昨年放送されたドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』で人気に火が付き「ネクストブレイク女優」と称される今田は、第5話のキーとなる諏訪唯月役を熱演。その演技に大きな反響が寄せられました。

中でも圧倒的な存在感を放っているのが“2019年ブレイク候補No.1”と目されている女優の今田美桜だ。これまで数々の作品で美少女を演じてきた彼女だが、本作でのダーティーな役柄と号泣&絶叫も辞さない熱演で、一気に女優として進化を遂げようとしている。
柊(菅田将暉)から「ベルムズ」の力を借りてモデルの仕事を得てきたことを追求されると、大きな目を見開いて「こうやって生きるしかなかった!」と絶叫。そして柊から「お前のこれまでは誰が何と言おうと絶対に間違ってない!」と叱咤(しった)されると、その瞳から大粒の涙を流し号泣する。
唯月を演じる今田の緊迫した演技に対して、ネット上には「名演技」「かわいい顔とドスの効いた声のギャップがいい」「今田美桜ちゃん演技いい」などの反響が。
今回のキーパーソンである今田美桜の愛らしい容姿ながら、激しく感情を露わにする演技は白眉。SNS上でも、《キレるシーン迫力ありすぎ!》《可愛い》《泣いてる姿も美しい》と話題騒然だった。

菅田との1対1の対峙は飛躍への大きなチャンス

各話で彼らが教室の中央に出されてただ演技バトルになるのではなく、教師を演じる菅田将暉が役の上だけでなく役者としても導き手となって、生徒役である俳優たちの底力を引き出しているようにも見えました。
演技派として名を馳せる教師役の菅田将暉との1対1の対峙。その演技力が試され、菅田の演技との比較にさらされるのは、これからエンタテインメントシーンで走り出そうとする若手俳優たちにとっては大きなプレッシャーであり、危うい挑戦でもあることだろう。そこでの姿は視聴者に大きな印象を残し、その後の活動への影響も考えられる。しかし、その一方で飛躍への大きなチャンスであることも間違いない。

「3年A組朝礼体操」の“踊ってみた”動画も話題に

菅田将暉主演ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)のなかで教師や生徒たちが踊る「3年A組 朝礼体操」が評判だ。元乃木坂46の日本テレビ・市來玲奈アナウンサーや元AKB48のFBS福岡・小林茉里奈アナウンサーなども「踊ってみた」動画を公開している。
“朝礼体操”は、ドラマの舞台である魁皇高校の教師や生徒たちが踊るもの。体操と呼ぶにはハイテンポで難易度の高そうな動きが、視聴者の間で話題となっている。

「日テレアナウンサー編」では市來アナのダンスが「キレッキレ」

動画では市來をはじめ、青木源太、上重聡、笹崎里菜、滝菜月、岩田絵里奈の日テレアナウンサー6人が、ドラマと同じ制服を着て、その「朝礼体操」に挑戦。Twitter上では「市来さんキレッキレッ!」「さすが元乃木坂!」「市來ちゃんだけキレが違う」など絶賛の声が上がっている。

SKE48の松井珠理奈&斉藤真木子もキレッキレのダンス披露

SKE48の斉藤真木子が17日、同じくSKE48の松井珠理奈と話題の「3Aダンス」を踊る動画を自身のTwitterで公開。ダンスのキレの良さが話題となっている。
ファンからは「す、すごっ」「2人ともキレッキレでカッコイイ~」「やべええ超ーーーーーカッコいい!!!」「クオリティが半端ない」「繰り返し見ちゃいます」「見惚れてしまった!」など絶賛のコメントが多数寄せられている。

オースティン・マホーンも挑戦

アメリカの歌手、オースティン・マホーンさんが、人気ドラマ「3年A組」の「朝礼体操」を踊る動画が日本版公式ツイッターに投稿され、話題を呼んでいる。
動画を見たユーザーからは、
「オースティンまで3Aのダンスを...3Aどんだけ凄いの!?」
「え!!オースティン!! 3A国境超えたーー!!!!」
「オースティンマホーンという有名人もあの3年A組のダンスやるんだから影響エグいな」
といった、ドラマの影響力の大きさに驚く声が寄せられている。

局の垣根を超えてガチャピンム&ムックも参戦

フジテレビのキャラクターであるガチャピンとムックも「朝礼体操」の踊ってみた動画を公開。ムックのTwitterでは「日テレだけど…」とつぶやかれているように、局の垣根を超えての投稿となっています。
このほか、「ZIP!アナウンサー」編、「Oha!4キャスター」編、元AKB48でFBS福岡放送の小林茉里奈アナウンサーが踊っている動画などが話題です。

『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)

杉咲花が主演 『家政婦のミタ』の遊川和彦が脚本+演出にも挑戦

本作は、悩みや原風景をはじめ他人のあらゆることが見えてしまう特殊能力を持つ的場中(杉咲)を主人公に、彼女が能力を駆使し、周囲の人たちの悩みを解決していく姿を描くお仕事コメディードラマ。『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』を手がけた遊川和彦が脚本を担当し、テレビの連続ドラマの演出にも初挑戦している。

視聴率は第6話で初の1桁

全話平均は2桁キープ

ドラマ「ハケン占い師アタル」(木曜・後9時)第6話の平均視聴率が9・5%だったことが22日分かった。
初回は12・1%で好スタート。第2話は10・9%、第3話は10・0%、第4話は10・3%第5話は10・3%と推移し、今回は0・8ポイントダウンで初の1ケタ台となった。

第6話の放送中に北海道で震度6弱の地震が発生して数分間中断されたため、ネット上では1桁台に落ちた要因として「地震の影響」を指摘する意見もいくつか見られます。
ちなみに、第6話までの全話平均視聴率は10.5%と2桁のままです。

遊川和彦ワールド全開

今季の連ドラを手がける脚本家で一番のスゴ腕は、テレビ朝日、木曜夜9時『ハケン占い師アタル』の遊川和彦だろう。
オリジナル脚本だけでは飽きたらなかったか、回によっては自身で演出まで行っている。よくも悪くも“遊川流”全開だ。
杉咲花ふんするイベント会社の派遣社員、アタル(的場中)が主役。母(?)で著名な占い師のキズナ(若村麻由美)から逃げ、通勤中は黒丸サングラスにニット帽姿。怪しいビジュアルがいかにも遊川ワールドだ。
杉咲が雑用係を務める会社の制作チームのメンバーは6人。上野(小澤征悦)、神田(志田未来)、目黒(間宮祥太朗)、品川(志尊淳)、田端(野波麻帆)、大崎(板谷由夏)。どれも山手線の駅名だが、さすがは遊川、姓としても違和感がまったくない。総スカンの部長が代々木(及川光博)というのも笑える。

「何かやってくれるに違いない」という期待感

遊川和彦氏の脚本といえば、社会現象にもなった天海祐希主演の『女王の教室』や松嶋菜々子主演の『家政婦のミタ』(共に日本テレビ系)を思い浮かべる方が多いことだろう。“遊川作品”のファンは「必ず何かやってくれるに違いない」という期待感に溢れていると思う。

役者陣も「遊川さんを100%信頼」

テレビ朝日の山田兼司プロデューサーによると…

「ご自分の作品だけに、物語の世界観やキャラクターについての説明が的確。そのため役者さんも(役作りに)迷わず、遊川さんを100%信頼しています。役者さんやスタッフの提案がいいと思えば、どんどん採用する柔軟性もあって、提案者は自信につながり、ますます作品をよくしたいと頑張るので、全員が一枚岩になった理想的な撮影現場です。楽しい雰囲気でディスカッションできる現場です」

ヒロインがお説教のようにまくしたてるシーンが見せ場

ハッキリと言い切るヒロインの姿に引かれる

ドラマ解説者の木村隆志氏は、『家売るオンナの逆襲』と同じように「ヒロインがお説教のようにまくしたてるシーンが見せ場」となっていて、お説教のようなシーンとセリフが視聴者にウケていると分析。

2話で目黒円(間宮祥太朗)の「俺にも何かいいところがあるのかな?」という問いに的場中(杉咲花)は、「スネてんじゃねえよ!今まで通り自分らしさを失わずにいたら、必ず誰か手を差し伸べてくれるって」
ヒロインが登場人物の悩みを解決するために言葉をかけているのですが、こうして文字にすると、お説教のように見えてしまいます。さらに見方を変えると、大御所脚本家の2人が、「現代人の悩みはこうやって解決すればいいんだよ」と指南しているようにも見えるのです。
人気の理由として考えられるのは、「ヒロインが現代人の悩みをスパッと解決していくところが爽快だから」「刑事・弁護士などの事件解決ドラマが約半数を占め、人々の悩み解決ドラマは希少だから」の2つ。特に前者は、「目の前の人に向き合えない」「思っていることを言えない」とストレスを抱える人が多い中、迷いなくハッキリと言い切るヒロインの姿に引かれる人が多いようです。

希望と勇気がもらえるドラマ

アタルの占いは決して優しいものではないし、「もう少し柔らかく言ってあげて……」と思わなくもないが、彼女には温かさと愛がある。人間の強さと可能性を信じているのだ。現実にはアタルのような占い師は滅多に存在しないだろうし、ましてやカツを入れてくれるなんて神対応はあり得ないだろうが、職場にアタルのような社員がいたら……なんて夢みたいなことを考えてしまう。
『ハケン占い師アタル』は悩める人々へカツを入れ、明日への一歩を踏み出すための勇気をくれる応援ドラマ。明日の出社がどうしようもなく憂鬱な人は、ぜひ視聴してみてほしい。ラストは「なんとか頑張ってみよう」と勇気をもらえるはずだ。

わかりやすくテンポがいい1話完結スタイル

「わかりました、あなたを鑑ます」の決めゼリフと、悩みの原因となった過去まで見通し、カウンセラーのごとく悩みの解決をしてくれる1話完結スタイルは、わかりやすくテンポがよく、小さな爽快感がある展開となっている。

「多種多様で複雑な働くことの悩みをできる限り普遍化」

「悩みを抱えた人がアタルに占ってもらい、新たな一歩を踏み出す」という展開が本作のお決まりパターン。これにもこだわりがあると山田プロデューサーは語っています。

1話完結の物語は、冒頭でアタルの母のキズナ(若村麻由美)が登場、その放送回の悩める仲間を紹介、どんな悩みかを描いた後に、アタルが“アナタを見ます”と占う。そして最後には、仲間がスッキリして、自分に必要なくなったものをゴミ箱に捨てていくというわかりやすい構成になっている。
「働くというテーマを描くにあたって、どうしたら面白い作品にできるか取材を重ねました。働くことの悩みは、働く人の数だけあって、とても多種多様で複雑です。それをできる限り普遍化して描き、とっつきにくくならないようにするためわかりやすくご覧いただける作りにこだわりました。
気楽にご覧いただけますが、内容は深く、考えさせられるものがあるかと思います」

テレ朝の「木9」枠は数字をもっている?

テレビ朝日の木曜ドラマ(木曜夜9時)といえば、2010年代、米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズや、同じくシリーズ化、スペシャル化されている天海祐希主演の『緊急取調室』。木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』、そして前クールは、米倉主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』がオンエアされていた超高視聴率枠。
無論、人気脚本家・遊川氏の作品への期待感もあると思いますが、やはりテレ朝の『木9』枠は、数字をもっているということでしょうね。この枠のドラマは、17年4月期以降、6クール連続で2ケタをキープしています。今やTBS日曜劇場枠をしのぐほどの“強い枠”になっています。杉咲が主演では力不足の感は否めなかったのですが、実際に見てみたら、そこそこおもしろく、何か引きつけられるモノがあるようです。その辺りが遊川作品の魅力なのでしょう。

志尊淳の女装姿が「美しすぎる」と話題に

入社1年目の新人・品川一真を演じる志尊淳は、これまでバラエティ番組で女装を経験したり、昨年放送されたドラマ『女子的生活』でも女装姿が大きな話題になったりしていて、本作の第3話でも再び女装姿を披露。今回も「美しすぎ」といった反応がありました。

志尊のハイクオリティな女装に視聴者から「めちゃめちゃ可愛い〜」「最高にかわいい」「きれいすぎて女の子の立場ないわ」「美しすぎる」などのツイートが殺到した。また、志尊がトランスジェンダー女子を演じた2018年のドラマ『女子的生活』(NHK)を彷彿させる見事な女装に「突然の女子的生活」「ん?NHKですか?」などの声もSNSに寄せられていた。
志尊の女装姿にネットで公開されると「やばい!可愛すぎる」「え、これ志尊くん?普通に女性の方かと…」「女だけど、これは負けた」「志尊くん美人すぎる…女でいるのがつらくなってきた」など反響が続々と寄せられていた。

「誰よりもキュート」杉咲も絶賛

志尊の女装について、杉咲は「誰よりもキュートな乙女っぷりの品川ちゃんについ惚れ惚れして、気がつくと、じっと見てしまっていました(笑)」と絶賛している。