特集2017年7月11日更新

生命の不思議を感じる…謎すぎる新種の生物たち

毎年、地球のどこかで1万種以上の生物の新発見があるといいます。ニューヨーク州立大学の研究所が発表した「珍しい新種の生物2017年版」とともに、近年発見された珍しい生物を紹介します。

「珍しい新種の生物・2017年版トップ10」発表!

新種の調査全般を把握してリストを作成しているのは、環境科学に詳しい米ニューヨーク州立大学の国際生物種探査研究所(IISE)。2008年から毎年5月に新種リストを発表しているが、先日解禁になったばかりの2017年度版の珍しい新種トップ10をここに紹介。その不思議さをとくとご覧いただきたい。

それでは、この記事で紹介されている「2017年度版・謎すぎる新種の生物トップ10」の中から、特に興味深いと思われる生物をいくつか紹介します。

ハリー・ポッターにちなんだ名前のクモ

Eriovixia gryffindori

夜行性で体長は7ミリほどだ。その名の通り、映画の中で登場する組み分け帽子にそっくり。
グリフィンドール寮の名前の元である魔法使い「Godric Gryffindor」 にちなんで学名が付けられており、ハリー・ポッター作者のJ・K・ローリングもこの新種のクモの発見をツイッター上で祝福している。
日中は体をくしゃくしゃと丸めて、乾いた枯葉のように擬態し外見をカモフラージュしている。

ハリー・ポッター作者のJ・K・ローリングさんもTwitterでコメントしています。

ピンク色の木の葉そっくりなツユムシ

Eulophophyllum kirki

体長約4センチ。オスは緑、メスはピンク色である。
撮影した写真家Peter Kirkにちなんで名付けられたが、発見されたボルネオ島北部は採取が厳しく制限されている地域で捕獲が難しく、写真のみで新種認定された。将来的には類似した種の発見が期待されている。

トゲトゲのドラゴンアリ

Pheidole drogon

米人気TVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場するドラゴンを彷彿させる外見にちなみ学名がつけられた。アリの背中や肩の筋肉が極度に発達して大きな頭部を支えており、独特のトゲがある。
日本の沖縄科学技術大学(OIST)の学者らにより発見され、通常の写真やイラストによる記述と異なり、X線マイクロトモグラフィーという最新の3Dイメージング技術を使用して3D標本で発表されたことも話題となった。

沖縄科学技術大学院大学のYoutubeページでは3D回転モデルが公開されています。

カットすると“出血する”トマト

Solanum ossicruentum

語源はラテン語の「骨」、「血まみれ」から。直径は1.5~2.5センチと小さめだが、カットすると空気に触れた表面がまるで血液のようにどす黒く変化する。
若いトマトは黄緑色だが、熟すに従い色が深緑からやがて赤褐色となり、最後にはとても硬くなる。

悪魔の顔のようなラン

テリポゴン・ディアボリクス(Telipogon diabolicus)

発見と同時に絶滅危惧種に指定。花片が人間の指先程度の小さなランだが、クローズアップすると雄しべと雌しべが合わさった紫色の花弁中心部分(蕊柱)が、まるで悪魔の顔と頭部を彷彿させる形となっている。

まだまだいる!奇妙な「新発見生物」たち

それでは、近年になって新発見された中から、これまでにない見た目や習性を持った生物を紹介していきます。

心臓までスッケスケなカエル

Hyalinobatrachium yaku

スケスケカエルを発見したのは、エクアドルの大学、Universidad San Francisco de QuitoのJuan M. Guayasaminさん。ネタ元のZooKeysに発表されたレポートによれば、スケスケカエルの体長は2cmほど。雄のスケスケカエルは、葉っぱの影からながーい鳴き声を発して、雌のスケスケカエルを惹きつける特徴があるといいますが、自らのボディに比べたらそんな特徴は取るに足りないもの。なにせ心臓を包む心膜すらもスケスケなのですからね。心臓、腎臓、膀胱、生殖器系、何もかもが丸見えです。

頭だけスケルトン!神秘的な深海魚

デメニギス(Macropinna microstoma)

このユニークな魚は深海2000~2600フィート(約610メートル~800メートル)に生息。一番の特徴は、中身が透けて見える頭部(中身は液体だそう)だ。全身は黒いのだが、頭部だけ透けているのである。そのため頭の中身はもちろん背景の海の色も映し出し、その神秘度ぶりたるや半端ない。
さらに驚くべきことは、透明な頭部の中に見える緑色の部分が目だということ。研究の結果、デメニギスの目は信じられないくらい敏感で、ちょっとの光でも感知すことがわかっている。

ゾウに近い!?新種のネズミ

ゾウトガリネズミ(Sengi)

南アフリカとボツワナに隣接する国、ナミビアの砂漠でカリフォルニア科学アカデミーの研究チームに所属する、ジャック・ダンバーチャー博士が新種のネズミを発見した。しかしただのネズミではない。この生物の名前は「ゾウトガリネズミ」で、不思議な事にゾウのような鼻を持っているのだ。そして何よりも驚くのが、この姿で遺伝子的にネズミよりもゾウに近いとされていることである。
学者の間では、モグラやハリネズミと近縁のトガリネズミとの混同を避けるべく、「センギ(Sengi)」とも呼ばれている。また、このセンギが属するネズミを総じてハネジネズミと呼ぶそうだ。

深海のUFOのようなクラゲ

ヒドロクラゲの仲間

昨年4月、NOAA(アメリカ海洋大気庁)のツイッターアカウントに驚くほどUFOに似ている新種のクラゲの映像が投稿された。
この光る深海生物は、「ヒドロクラゲ」の仲間と見られており、NOAAの海洋探査船「オケアノス・エクスプローラー」の無人探査機「Deep Discoverer」が、マリアナ海溝の「エニグマ海山」を探査中に水深3700メートルで発見された。

プードルのようなモコモコの蛾

Venezuelan Poodle Moth

2009年に南米ベネズエラのグランサバナ地域で発見された新種の蛾。名前の由来はまさに見た目通り、犬のプードルのようにモコモコしていることから。

求愛ダンスをするキモかわいいクモ

ピーコック・スパイダー(Peacock Spider)

ピーコックスパイダーはハエトリグモの一種で、体長はわずか2~6mmほどしかない小型の生物である。オーストラリアにしか生息しておらず、存在そのものが非常に希少だ。
ピーコックスパイダーの特徴を語る上で絶対に欠かせないのが、一風変わった求愛行動だ。ピーコックスパイダーのオスの背中には非常にカラフルな模様が描かれており、まるでクジャクのように羽を広げてメスの気を引こうとする。しかもコミカルなダンスまで披露するため、我々人間でさえ見ていて飽きない面白さがある。

ミステリーサークルを作るフグ

アマミホシゾラフグ(Torquigener albomaculosus)

いまのところ奄美大島でしか発見されていないそうです。このフグのオスがメスを呼び込み、メスに卵を産んでもらう場所を作るのですが、それがミステリーサークルの形状になります。まさに自然の神秘ですね。

「直接」オタマジャクシを産むカエル

インドネシアン・ファングド・フロッグ(Limnonectes larvaepartus)

10年ほど前からインドネシアに存在することが知られていたが、詳細な繁殖のメカニズムは分かっていなかった。Limnonectes larvaepartusが本当に直接オタマジャクシを産むところを偶然発見できたのは、学会にとって非常に貴重な資料と言えよう。
研究グループのジム・マクガイヤー氏は、「世界に存在する6000以上の種の中には卵を産まないカエルが10種類ほど存在することが知られていましたが、今回発見されたカエルはその一種です。直接オタマジャクシを産むという点では唯一の存在と言えるでしょう。」とコメントしている。

まるでハープのような海綿動物

コンドロクラディア・リラ(Chondrocladia lyra)

まるでハープのような形をした深海生物は「コンドロクラディア・リラ(Chondrocladia lyra)」と名付けられた。まるで長いエノキ茸のような形をした部分には無数の小さなトゲが生えており、小さな甲殻類を捕えて食しているのだという。

生きるために肺をなくしたカエル

ボルネオバーバーガエル(Barbourula kalimantanensis)

「インドネシアのボルネオ島に生息するカエルですね。ソーラーパネルのような平べったい体をしていて、全身で皮膚呼吸をしています。普段、流れの速い渓流で生活をしているので、浮輪のような役割を果たしてしまう肺が邪魔になった。それで肺がなくなってしまったといわれています。見た目はすごくおっとりしたかわいいやつなんですけど、すごく思い切った進化をしたカエルです」

雨が降るとくしゃみが止まらないサル

ミャンマーキンシコウ(Myanmar snub-nosed monkeys)

個性的な顔をしたサル。鼻が低いというより、むしろほとんど真っ平らだ。ミャンマー北部の人里離れた森で発見された。地元住民によると、このサルは雨が降ると簡単に見つかるという。というのも、彼らは(雨水が鼻の穴に入りやすいのか)くしゃみが止まらなくなってしまうのだ。しかも、(問題を本人たちも自覚しているのか)この事態を避けるため、彼らは雨が降り始めると頭を膝の間に挟みこむようにしてやり過ごすのだという。

いかがでしたか。新種ならではの奇妙でちょっとグロテスクな生物からキモかわな生物までさまざまな生物が発見されていましたね。地球上ではまだ見ぬ生物が生きていると思いますが、これからも新しい生物の発見によって地球の生態系がより良くなることを願います。