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6G移動通信に向け世界最高クラスのサブテラヘルツ帯無線デバイスを開発し、100Gbpsの超高速伝送を実現

Digital PR Platform / 2024年4月11日 15時7分


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/86469/700_408_202404100854346615d53a7f07b.JPG


・NTT
 高速トランジスタであるInP-HEMT※5を用いて300GHz帯の超高速データ伝送が可能な無線装置を実現しました。本無線装置においては、300GHz帯にデータを載せるためのミキサICがデータ伝送速度を決定するキーデバイスとなります。そこで、ミキサICを広帯域な設計とすることで、検証実験にて1チャネルで100Gbpsが伝送できることを確認できました。また本ミキサICの広帯域性を活かすことにより、100Gbps信号を300GHz帯における複数のチャネルで伝送できることも確認しています [参考文献]。
 実現したミキサICをモジュール化し、NTTで製作した電力増幅器などと組み合わせて300GHz帯無線装置を構築しました。300GHz帯無線装置を用いて無線伝送実験を行い、伝送距離100mにおいて1チャネル100Gbpsの高速伝送を達成しました。これらの伝送距離と伝送速度は300GHz帯における世界最高クラスのものです。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/86469/700_482_202404100854346615d53a935e5.JPG


※5 InP-HEMT:
電子移動度が高く高周波特性に優れた材料であるリン化インジウム(InP)系材料を用いることで高速動作が可能なトランジスタの一種。HEMTは、High Electron Mobility Transistor(高電子移動度トランジスタ)の略称であり、無線通信におけるアナログ回路などの高速動作が求められる電子回路に使用されることが多い。

[参考文献]
T. Jyo et al., “220-to-320-GHz Fundamental Mixer in 60-nm InP HEMT Technology Achieving 240-Gbps Dual-Band Data Transmission,” IEEE Trans. Microw. Theory Techn. vol. 72, no. 1, pp. 516 – 524, Jan. 2024.

・NEC
 100GHz帯の移動通信環境を想定した無線デバイスの検討および製作を行いました。現状の移動通信で用いられる数GHzの電波と異なり、サブテラヘルツ帯は、電波の回り込みが少なく、伝搬損失が大きいという特徴があるため、移動通信エリアの形成が困難となる課題があります。この課題を解決するために、複数のアンテナ素子をアレー配置することで電波の方向制御と送信電力の向上という2つの利点を有するフェーズドアレー方式を検討しました。100GHz帯では、低周波に比べてアレー実装時の配線などに起因する電力損失が大きいため、フェーズドアレー実現が困難になります。そこで、アンテナ、移相器、増幅器を一体集積することで配線長を短縮し、実装時の電力損失を低減可能なアンテナIC一体型APAA方式を検討しました。さらに、4系統のアンテナ素子が一体集積されたAntenna on Chip (AoC) 送信ICと、ICをパッケージングするモジュールをアレー配置することで、合計100素子以上のAPAAモジュールを開発しました。本APAAモジュールの性能検証を行い、EIRP 50dBm、ビームステアリング角±30度程度の特性を有していることを実証しました。さらに、本APAAモジュールを用いて、100GHz帯において、通信距離100m で、100Gbps 級の無線伝送を行うためのシステム仕様検証を実施することができました。

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