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井上尚弥「やるしかない!」計量一発パス 前科持ちネリと睨みあいで2cmまで接近「感想はない」

THE ANSWER / 2024年5月5日 13時27分

ともに計量をパスして2センチの距離で約20秒睨み合った井上尚弥とネリ【写真:高橋学】

■Amazon プライム・ビデオで独占生配信

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われる。5日は東京ドームホテルで前日計量が行われ、メインイベントの王者・井上尚弥(大橋)が55.2キロ、元世界2階級制覇王者の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)が54.8キロで一発パス。34年ぶりの東京Dボクシング興行の舞台がついに成立した。戦績は31歳の井上が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

 これまで以上に緊張感のある計量が行われた。先に計量台に乗った井上。黒いパンツ姿で55.2キロ。即コールされ、ポーズをつくった。続いて短パン姿のネリも即読み上げられ、54.8キロで一発パス。両拳を握り、見つめた井上もうんうんと頷いた。写真撮影の後に恒例のフェースオフ。互いの顔が2センチに近づき、約20秒睨み合った。ネリ陣営が奇声を上げて盛り立てる中、関係者が制止してようやく両選手がその場を離れた。

 計量後に取材に応じた井上は「いつもながらバッチリです。調整面では(スーパーバンタム級で)3回目というのもあるし、何となくつかめている。(過去2戦も)リング上での支障は全くなかった」と自身の体調を語った。

 500グラムアンダーのネリについては「余裕なんじゃないですかね。準備して管理をして、『成立するでしょ』と思ってやっていた。ビッグイベントでネリも過去最高のファイトマネーをもらうようだし、そこは心配なかった」と頷いた。

 至近距離でのフェースオフには「明日やるだけ。ここから駆け引きも始まっているので」とコメント。ネリの肉体を見て「感想はない。55.3キロまで落とせば後はリカバリー次第」と語った。ネリは失うものがないと豪語して臨んでいることを問われると「それに関しても何も思わない。背負うものがある、ないで人間の差はないと思っている。ネリが失うものがないから強いのかというと、そうではないと思う」と冷静に語った。最後は「やるだけっしょ!」と気合いを入れて、取材を終えた。

 違反歴のあるネリはオーバーの懸念があり、体重を毎日測定。結果が興行主に報告されていた。ドーピング検査も5回以上クリア。4日の会見では「体重はもうリミット内だ」と自信を見せていた。

 ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応。18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪された。ともに勝利したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分に。海外でリング復帰し、20年9月にスーパーバンタム級で世界2階級制覇。今年2月、ネリと陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。規定に基づき、処分が解除されていた。

 1990年のマイク・タイソン―ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりの東京Dボクシング興行。日本人がメインイベントを務めるのは初めてとなる。Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多となる。(THE ANSWER編集部)

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