同じコンビニが「近所に何軒も出店」の意外な勝算 セブン-イレブンが競合を圧倒する納得の理由とは
東洋経済オンライン / 2024年4月18日 15時0分
「2024年問題」により、近年、何かと注目を集める「物流」。これまで「物流は『コスト』であり、最小化することに尽きる」と考える人が多かったが、現実はそうではないという。物流が「プロフィット=利益」を生むものだと考える会社は、競争に強いだけでなく、大きく成長するポテンシャルがあるーーそう指摘するイー・ロジット取締役会長兼チーフコンサルタントの角井亮一氏が、成長企業の「ドミナント戦略」について解説します。
※本稿は、角井亮一氏の新著『顧客をつかむ戦略物流 なぜあの企業が選ばれ、利益を上げているのか?』から一部抜粋・再構成しています。
単なる「コスト」として捉えられてきた物流
長い間、物流を本業としない多くの企業では、主に取引先との間で必要になる物流機能は、利益を生まないコストとして考えられてきました。
しかし、日本経済が鈍化する一方で、インターネットの普及によりネット通販市場が急拡大するなか、自社の物流機能をどう組み立てていくかによって、新たに競合企業との差別化を図れて、企業の競争力にも大きな差が生まれることが理解されるようになってきました。
つまり、戦略物流の重要性が高まっているのです。
もし、社内の物流部門をいまだに外部コストととらえ、他の部門から後回しにされるような社内体制の企業は、本業の事業展開において、間違いなく損をしているといえます。
では、戦略物流を考えていくにあたって、まず何から考えればいいのか。そのひとつが「ドミナント(dominant)戦略」です。
たとえば、街中や繁華街を歩いていて、とくに、コンビニエンスストアやドラッグストア、コーヒーチェーンや居酒屋チェーン、クリーニングチェーンなどのように、どこもあまり変わりばえせず、商品やサービスにもあまり差がない店で、「ここにも、そこにも、またあそこにもある。どうしてなんだろう」と疑問に思ったことがある人は少なくないと思います。
そのとき、このお店(あるいはそのチェーン全体)に対して、どのような印象をもったでしょうか。
「たくさん出店しているということは、それだけ人気があるのかも。今度、利用してみよう」
「出社するときはこっちのA店、帰りは向こうのA店が使いやすそう」
「こっちが混んでいたら、向こうを利用すればいいか」
「同じお店(=同じ看板、屋号)だけど、それぞれ同じなのかな。店ごとに何か違うのだろうか」
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