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先進国は支援実行を、COP26首脳級会合で途上国が相次ぎ要求

ロイター / 2021年11月2日 9時15分

 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合が1日、英グラスゴーで始まり、途上国は先進国に対し気候変動対策への資金支援の約束を守るようくぎを刺した。グラスゴーで撮影(2021年 ロイター/Lee Smith)

[グラスゴー 1日 ロイター] - 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合が1日、英グラスゴーで始まり、途上国は先進国に対し気候変動対策への資金支援の約束を守るようくぎを刺した。また、主要排出国であるインドとブラジルは新たな排出削減目標を打ち出した。

週末に開催された20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は地球温暖化の抑制に向けた「有意義で効果的」な行動を促すことを盛り込んだ首脳宣言を採択したが、具体的な目標はほとんど示されず、COP26に多くの作業を残す形となった。G20は世界の温室効果ガス排出の約8割を占めている

アフリカのケニアやマラウイ、南アジアのバングラデシュ、カリブ海のバルバドスなどの首脳は先進国が支援の約束を果たしていないことを批判。マラウイのチャクウェラ大統領は「先進国が後発開発途上国に約束した支援は寄付ではなく、汚染除去の手数料だ」と述べ、先進国に支援しないという選択肢はないと強調した。

地球温暖化の責任が大きい先進国は2009年、途上国の気候変動対策を支援するため20年までに年間1000億ドルを拠出すると確約したが、約束は果たされておらず、途上国の一部は不信感や排出削減への消極的姿勢を示している。

環境活動家のグレタ・トゥンベリさんは自身の支援者に対し、世界の首脳による裏切りを非難する公開書簡に署名するようアピールした。書簡には「これは演習ではなく、地球に対するコード・レッド(厳戒警報)だ」と記されている。

世界最大の排出国である中国の習近平国家主席は現地入りしなかったが、先進国は取り組みを強化するだけでなく、途上国の対策改善を支援すべきだと声明で訴えた。

バイデン米大統領も先進国の取り組みは「現時点で十分ではない」とし、強化を呼び掛けた。フランスのマクロン大統領は全ての先進国に対し、相応の資金を拠出するよう求めた。

国連のグテレス事務総長は、15年以降6年連続で気温が過去最高を付けていると指摘し、深刻な地球温暖化に警鐘を鳴らした。

COP26は、産業革命前からの世界の気温上昇を1.5度に抑えるとする国際枠組み「パリ協定」の努力目標実現を目指している。新型コロナウイルスの影響で1年遅れでの開催となった。国連の分析によると、これまでの各国の削減目標では今世紀中の気温の上昇幅が2.7度になるとみられ、会期中に各国から一段と野心的な削減目標や途上国支援の確約を取り付け、パリ協定の実行策を完成させることが必要となる。

<会期中の進展に注目>

主要排出国であるインドとブラジルは新たな削減目標を発表。

ブラジルは30年までに温室効果ガスの排出量を05年比で50%削減するとし、従来の43%削減から引き上げた。

ボルソナロ大統領は「われわれは責任ある行動を取り、早期の転換に向けた真の解決策を模索する」と表明した。

ただ、ブラジルは昨年に削減目標の基準年を変更しており、実際は達成のハードルが下がっている。

インドのモディ首相は、70年までにカーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)達成を目指す計画を発表した。他の排出国よりもかなり遅い時期で、国連が推奨する50年から大幅に遅れることになる。

COP26の会期中に議論がどこまで進むかが注目されるが、習主席やロシアのプーチン大統領などが現地で出席していないため、進展を難しくする可能性もある。

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