米経済は「繁栄」、早急な利下げ必要なし=アトランタ連銀総裁
ロイター / 2024年3月5日 4時18分
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、経済と労働市場の「繁栄」を考慮すれば、FRBに対する緊急的な利下げ圧力はないと述べた。2019年、ダブリンで撮影(2024年 ロイター/Clodagh Kilcoyne/File Photo)
Howard Schneider
[ワシントン 4日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、経済と労働市場の「繁栄」を考慮すれば、FRBに対する緊急的な利下げ圧力はないと述べた。
FRBが年内に0.25%ポイントの利下げを2回実施することが適切との考えを改めて表明。ただ、現在の経済の力強さが「フロス(小さな泡)」となり、インフレを巡る新たな局面に発展しないよう、FRBは「微妙なライン」を歩いているとした。
利下げに先立ち「インフレ率が長期的に平均2%への確実な道筋をたどっていると十分な確信を得るには一段の前進を見る必要がある」と指摘。「その確信を得て初めてフェデラル・ファンド(FF)金利の引き下げを開始する時期が来たと感じる。労働市場と経済が繁栄していることは朗報で、連邦公開市場委員会(FOMC)は緊急のプレッシャーなしに政策を決定することができる」とした。
高インフレと信用収縮が続いたことを受け、一部の消費者、特に低所得者層でストレスが高まっていると言及。新たな需要の高まりがインフレの進展に逆行しかねないとの懸念を表明した。
また、労働市場に「悪化」の兆しがまだ見られないことから他の当局者と同様に「インフレ率を2%にするためにはまだ時間がある」とした上で、いったん利下げが始まれば、そのペースは「市場参加者、企業の経営陣、家計がどう反応するか」次第で、連続した利下げになるとは想定していないとした。
さらに基本シナリオとして、労働市場や成長率に大きなダメージを与えることなく、インフレ率は「ゆっくりと」FRBの目標に戻ると予想。そうなれば「完全な勝利」を収めることになるが、「確実とは言い難い。インフレとの戦いで勝利を宣言するのは時期尚早だ」とした。
ボスティック総裁は、ダラス連銀の基調的なインフレ率が2.6%なのに対し、通常より多くの品目の価格が依然として年率5%以上で推移していることに特に懸念を示した。
このほか、最近の企業幹部との会談で経済が好調であることを確信した一方、新たな需要の急増を懸念していると語った。
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