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労務費転嫁の指針徹底へ、月内にも関係省庁会議=村井官房副長官

ロイター / 2024年3月5日 16時59分

 3月5日、 村井英樹官房副長官(写真)はロイターとのインタビューで、中小企業の賃上げには「新しい商習慣をしっかり根づかせていくことが重要」とし、公正取引委員会と策定した価格交渉に関する指針について一段の周知徹底を図る考えを示した。都内で同日撮影(2024年 ロイター/Kentaro Sugiyama)

Kentaro Sugiyama Leika Kihara

[東京 5日 ロイター] - 村井英樹官房副長官は5日、ロイターとのインタビューで、中小企業の賃上げには「新しい商習慣をしっかり根づかせていくことが重要」とし、公正取引委員会と策定した価格交渉に関する指針について一段の周知徹底を図る考えを示した。指針の実効性を高めていくために設置した関係省庁連絡会議を月内に開催したい意向も語った。

内閣官房と公取委は昨年11月、現状では難しいとされる労務費を理由とした価格交渉の環境を是正するための行動指針を公表した。村井副長官は岸田政権が最重要課題と位置付ける賃上げの実現に向け、指針の浸透状況の確認やフォローアップを行う関係省庁連絡会議のトップに就いた。

指針では、発注者として取るべき行動として経営トップの関与などを明示する一方、公正な競争を阻害するおそれがある場合、法律に基づいて厳正に対処することを明記した。

村井副長官は「これまでに前例のない取り組みだ」と強調。策定からこれまでに全国1873の業界団体へ声掛けし、特に対応が必要な22業種の団体には自主行動計画の策定を要請してきたが、周知徹底については「より一層改善していく余地がある」と述べ、1月の初回会合に続いて3月中にも関係省庁連絡会議を開催したいとした。

2024年の春季労使交渉(春闘)では、ホンダ、マツダなど製造業を代表する自動車大手のほか、流通業でもイオングループ各社などが相次ぎ組合要求に満額回答している。村井副長官は、政労使の意見交換など官民の取り組みを通じ、出来るだけ多くの中小企業に広く賃上げが波及していくことに期待を示した。

金融政策の正常化を模索する日銀も、今後の企業の賃金・価格設定行動の変化を注視する。植田和男総裁は昨年末の講演で「賃金上昇をある程度販売価格に反映することができなければ、賃金と物価の好循環は長続きしない」と指摘。指針が企業の価格設定行動に与える影響にも注目していると語っていた。

金融市場などでは日銀が3月か4月にマイナス金利政策を撤廃するとの観測が広がっているが、村井副長官は「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられている」とし、金融政策について政府としてのコメントを控えた。

その上で「日銀には引き続き政府と密接に連携を図り、経済・物価・金融情勢を踏まえながら賃金上昇を伴うかたちでの物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切に金融政策運営が行われることを期待している」と述べた

(杉山健太郎、木原麗花 :編集 石田仁志)

*写真を差し替え再送します。

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