国営石油各社、今後10年で4000億ドルの投資を無駄にする恐れ=調査
ロイター / 2021年2月9日 14時54分
2月8日、天然資源に対するガバナンス改善を目的とした非営利組織、ナチュラル・リソース・ガバナンス・インスティテュート(NRGI)によると、国営石油会社(NOCs)が今後10年間に石油・ガスプロジェクトに投資する4000億ドルが浪費に終わる可能性がある。写真はアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)のロゴ。ウクライナのキエフで2017年10月撮影(2021年 ロイター/Valentyn Ogirenko)
[ロンドン 9日 ロイター] - 天然資源に対するガバナンス改善を目的とした非営利組織、ナチュラル・リソース・ガバナンス・インスティテュート(NRGI)によると、国営石油会社(NOCs)が今後10年間に石油・ガスプロジェクトに投資する4000億ドルが浪費に終わる可能性がある。これらの投資は、世界がパリ協定で定めた温室効果ガス削減目標を達成できなかった場合でも収支均衡に持ち込むのがせいぜいだという。
NRGIが「リスクの高い賭け」と題するリポートの中で述べた。
リポートは、今後10年間で国営石油会社による投資額が1兆9000億ドルに達すると推計。その2割は、原油価格が1バレル=40ドルを上回って推移しなければペイしないという。
エネルギー大手BPや仏トタル、ロイヤル・ダッチ・シェルなど民間各社は、長期的な原油価格見通しをすでに引き下げている。アナリストらによると、エネルギー革命の進展次第では一段の引き下げを視野に入れているという。
NRGIのシニアアナリストでリポート共同執筆者のデビッド・マンレー氏は「国営石油各社の投資は不確実性の高い賭けだ」と述べた。
サウジアラビアなど中東の産油国は、損益分岐点が低いため比較的影響を受けにくいが、アフリカや南米の国営石油会社は問題を抱えやすいという。
リポートでは、メキシコ国営石油会社ぺメックスやアンゴラ国営石油会社ソナンゴルが抱える巨額債務を懸念材料としたほか、長年にわたって国営石油会社の多くが抱える拡張至上主義的な考え方や企業会計における透明性の欠如も問題を複雑にしていると指摘している。
中でも懸念されるのはアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)とナイジェリア国営石油会社(NNPC)で、特にNNPCの投資はエネルギー革命が急速に進展した場合、およそ半分が損失になる可能性があるという。
このほか、アルジェリアや中国、ロシア、インド、モザンビーク、ベネズエラ、コロンビア、スリナムも投資を見直す必要があるとしている。
この記事に関連するニュース
-
原油先物は続伸、米在庫減とOPEC需要見通し引き上げで
ロイター / 2021年4月14日 11時14分
-
原油先物は下落、米ガソリン在庫の予想外の急増で需要減退懸念
ロイター / 2021年4月8日 11時52分
-
米シェール生産パイオニア、ダブルポイント買収へ 64億ドル規模
ロイター / 2021年4月2日 16時33分
-
米エクソン、第1四半期は5四半期ぶりの黒字見通し 原油高などで
ロイター / 2021年4月1日 15時18分
-
FTSEラッセル、中国国債を旗艦指数に組み入れ 10月末から
ロイター / 2021年3月30日 17時56分
ランキング
-
1古代エジプトの「失われた黄金都市」発見 史上最大規模の都市遺構
AFPBB News / 2021年4月10日 20時50分
-
2国際海洋法裁への提訴検討=原発処理水で「大きな懸念」―韓国大統領
時事通信 / 2021年4月14日 17時16分
-
3バイデンが期待し、習近平が警戒する「日本の真の軍事力はもっと上」
NEWSポストセブン / 2021年4月14日 7時5分
-
4文大統領が日本大使に処理水放出への懸念伝える、異例の対応に韓国ネットでは賛否の声
Record China / 2021年4月14日 18時20分
-
5麻生氏「中韓が海に放出しているもの以下」=中国ネット「じゃあ飲んでくれ」「根拠もなく中国に泥」
Record China / 2021年4月14日 10時20分