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米最高裁人事の公聴会開始、民主はオバマケアの脅威と批判

ロイター / 2020年10月13日 7時57分

トランプ米大統領が連邦最高裁判所判事に指名したエイミー・バレット氏の上院司法委員会での公聴会が12日始まった。代表撮影(2020年 ロイター)

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領が連邦最高裁判所判事に指名したエイミー・バレット氏の公聴会が12日、上院司法委員会で始まった。民主党副大統領候補のカマラ・ハリス氏など民主党議員は、新型コロナウイルス禍においてバレット氏の指名は医療保険制度改革法(オバマケア)の脅威になるとし、大統領選直前の承認を目指す共和党の動きを非難した。

公聴会はこの日から4日間の日程で開催される。共和党が過半数を占める上院でバレット氏の指名が否決される可能性は低いが、民主党議員らはそれでも反対を訴えた。

一方、共和党議員はバレット氏の資質を称賛し、9月に死去したルース・ギンズバーグ判事の後任として適任だと強調した。

バレット氏は冒頭、「あらゆる生い立ちの米国人が、起草された通りに憲法と法律を解釈する独立した最高裁を持つに値する」と述べた。

バレット氏がリベラル派のギンズバーグ氏の後任として就任すれば、6対3で保守派多数となり、人工妊娠中絶の権利撤回や銃所持の権利拡大につながる可能性がある。

また、バレット氏はオバマケアを支持した2012年の最高裁判決を批判しており、民主党はこの点を中心に反対論を展開した。

ハリス氏は、大統領選間近の承認手続きは「正当性がない」とし、バレット氏が承認されれば「すでに21万4000人以上の米国民を亡くしたパンデミック下で、数百万人の国民から医療を奪う」と指摘。大統領選の勝者が最高裁判事を指名することを米国民の大多数が望んでいるとし、「共和党は国民の意思を意図的に無視し、オバマケアの下で提供されている権利と保護を後退させようとしている」と述べた。

最高裁では、トランプ氏や共和党が申し立てたオバマケアの無効化を巡る審理を11月10日に予定しており、バレット氏はそれまでに承認される可能性がある。

共和党のテッド・クルーズ上院議員は、民主党がヘルスケアなどの政策を焦点に反対しており、バレット氏の最高裁判事としての資質に異議を唱えているわけではないと指摘した。

また、共和党議員は、民主党がバレット氏の信仰心をやり玉に挙げていると主張した。民主党はこの日の公聴会で、信仰を理由に同氏を批判することは控えた。

民主党の大統領候補で、自身もカトリックであるバイデン前副大統領はデラウェア州で記者団に対し、公聴会でバレット氏のカトリック信仰を取り上げるべきではないとの考えを示した。

その上で「(バレット氏は)オバマケアを廃止すべきという立場だ。オバマケア廃止は(トランプ)大統領が望んでいることだ」とし、「この点から目をそらさないようにしよう」と語った。

公聴会は13、14両日に上院議員による質疑応答を行う。上院本会議での承認採決は10月末までに実施される見通しだ。

*内容を追加しました。

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