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アングル:トランプ氏、銃の権利擁護崩さず 暗殺未遂でも

ロイター / 2024年7月17日 10時39分

7月16日、 トランプ前米大統領は暗殺未遂事件で銃撃により負傷したが、11月の大統領選で勝利すれば、銃規制強化に反対する連邦判事を任命することで銃保有の権利を守る方針だ。写真は15日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで共和党全国大会に出席するトランプ氏(2024年 ロイター/Brian Snyder)

Tim Reid Helen Coster Nathan Layne

[ミルウォーキー 16日 ロイター] - トランプ前米大統領は13日の暗殺未遂事件で銃撃により負傷したが、11月の大統領選で勝利すれば、銃規制強化に反対する連邦判事を任命することで銃保有の権利を守る方針だ。トランプ陣営幹部のクリス・ラシビタ氏が16日、明らかにした。

ミルウォーキーで開催中の共和党全国大会で銃保有の権利擁護団体「全米コンシールド・キャリー協会(USCCA)」が主催したイベントで、ラシビタ氏は「われわれは(武器保有の権利を認める)憲法修正第2条を支持し、擁護し続けるだろう」と述べ、判事の重要性に言及した。

党大会でロイターが取材した約10人の共和党代議員も、銃購入年齢引き上げや身元調査の強化、トランプ氏銃撃の容疑者が使用したような攻撃用銃器の制限など、いかなる規制見直しにも断固反対する立場を表明。

精神衛生上の問題を抱える市民への支援に焦点を当てるべきだとし、今回の事件を含め銃暴力や銃乱射事件は、精神疾患や不適切な人が武器を所持したことが主因だと主張した。

トランプ氏銃撃事件のトーマス・マシュー・クルックス容疑者は射殺されており、犯行動機はまだ解明されていない。

モンタナ州のウィル・ブーン代議員は「全て精神衛生の問題だ」とし、「銃を持つ権利は憲法に明記されている。それを侵害し始めれば他の権利も奪われることになる」と述べた。

ジョージア州のスティーブ・クレイマー代議員は、身元調査を拡大すれば銃犯罪抑制に寄与するというのは「うそ」だとし、「殺人事件の大半では誰かが銃を盗んでいる。身元調査をしても意味がない」と主張した。

司法省の研究機関、国立司法研究所がまとめたデータによると、1966年から2019年にかけて、主に家族から盗んだ銃を使った学校での事件を除けば、銃乱射事件を犯した人の大半は合法的に武器を購入していた。

捜査当局によると、クルックス容疑者が使用した銃は父親が所有していた。

<銃乱射事件後も規制強化進まず>

共和党は2012年にコネティカット州で小学生20人が死亡した銃乱射事件以降も、おおむね銃規制改革の試みを阻止してきた。上院では事件後、全ての銃購入を対象とする身元調査の義務付けや攻撃用銃器の禁止を盛った法案が共和党の反対で否決された。

銃暴力防止団体ブレイディの代表を務めるクリス・ブラウン氏は、トランプ氏が大統領在任中の17─21年に銃規制緩和を何度か試みたと指摘する。

トランプ氏は就任後間もなく、精神疾患を持つ人が銃を購入しにくくするオバマ政権時代の規制を撤回する法案に署名した。

一方、トランプ政権は銃の連射を可能にする改造部品「バンプストック」については禁止した。だが、保守派判事が多数派を占める連邦最高裁は今年6月、憲法修正第2条を理由に禁止を解除した。

バンプストックは17年にラスベガスで60人が死亡、400人以上が負傷した銃乱射事件で容疑者が使用した。

バイデン大統領は22年、数十年ぶりの大規模銃規制法案に署名。家庭内暴力で有罪判決を受けた人への銃販売を禁止し、危険と見なされる人物から銃を一時的に没収する州レベルの「レッドフラッグ」プログラムに資金を提供する内容で、同年にテキサス州ユバルディの学校で児童ら21人が死亡した乱射事件を受けて成立した。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では21年に4万9000人近くが銃による負傷で死亡。このうち銃による自殺と殺人は過去最多を記録した。

トランプ氏は今年2月、全米ライフル協会(NRA)での演説で、バイデン氏が導入した全ての銃関連規制を撤廃すると表明している。

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