アデコ英法人の勇み足？ トイレ性加害事案「深刻に受け止める」「調査します」ポストを削除、日本法人は「担当者個人の見解」と指摘

日本アデコ公式サイトより

人材派遣会社「アデコ」の英国法人（Adecco UK）の公式Xが2024年3月6日に、日本の不動産会社の営業所内で性的な問題行為を撮影した動画が、Xに一時投稿された問題について言及したが、後に投稿を削除した。性加害行為を行った男は、アデコの日本法人に派遣登録していた。

この投稿についてアデコの日本法人は、公式見解ではなく「アカウント管理担当者個人の見解」だと説明。性加害行為を行った男については、「既に当社との契約を解除しております」明かした。

「全ての情報をDMで送ってください」

男が女子トイレ内の容器に自らの体液をかけたり、会社の女性のものとされる飲み物に体液を入れたりするなどの動画が、24年2月頃にX上で拡散され、波紋を広げていた。該当のアカウントはその後非公開となった。

この行為は不動産会社の東栄住宅の営業所内で行われたもので、同社は2月10日に公式サイトで「SNS上で当社営業所内における性被害に関する投稿がございました」と報告。15日には投稿者の男がアデコからの派遣社員だったこと、投稿発覚以降男は東栄住宅に出社していないこと、すでに男との派遣契約を解除したことをなどを発表した。

それ以降、東栄住宅やアデコから情報の発信がない状況だったことから、あるXユーザーが複数のアデコグループの海外法人あてに、男がした行為の概要と何らかの措置を講じてほしい旨の訴えなどを英語で投稿した。このうち、アデコの英国法人のXアカウントが3月6日、「もしその話が正しければ、すぐに調査したいことです。我々はこのような事態を非常に深刻に受け止めていますので、この問題に関する全ての情報をDMで送ってください。できるだけ早く調査させていただきます」と返信していた。しかし、この投稿は8日時点で削除されている。

「当該の派遣社員につきましては、既に当社との契約を解除しております」

J-CASTニュースが、実際に英国法人やスイス本社から調査について連絡があったかについてアデコの日本法人に確認すると、7日に該当の投稿は「弊社でも把握しております」として、

「当該ポストは、Adecco UK公式Xアカウント管理担当者個人の見解であり、Adeccoの公式見解ではございません」

と説明。「この度は混乱を招き、誠に申し訳ございません」と謝罪した。

問題の性加害行為について、「東栄住宅様の事業所に弊社から就業していた派遣社員が関与したことは誠に遺憾です」とコメント。「弊社では、現在、警察の捜査に全面的に協力しております。当該の派遣社員につきましては、既に当社との契約を解除しております」と現状を説明した。

さらに今後について、「今後、従業員に対するコンプライアンスおよび倫理に関する研修をこれまで以上に強化し、教育を徹底することで、再発の防止に努めて参ります」とした。

アデコ英法人に取材を申し込んだが、期限までに回答は寄せられていない。