米経常赤字、第3四半期8.3%増の2148億ドル 15年ぶり高水準
ロイター / 2021年12月22日 4時49分
第3・四半期の米経常収支は、赤字額が前期比8.3%増の2148億ドルと、2006年第3・四半期以来、15年ぶりの大幅な赤字となった。昨年4月、ロサンゼルスで撮影(2021年 ロイター/Lucy Nicholson/File Photo)
[ワシントン 21日 ロイター] - 米商務省が21日に発表した第3・四半期の経常収支は、赤字額が前期比8.3%増の2148億ドルと、2006年第3・四半期以来、15年ぶりの大幅な赤字となった。企業が目減りした在庫を積み増す中、輸入が急増したことで押し上げられた。
赤字額のエコノミスト予想は2050億ドルだった。
第2・四半期の赤字額は1983億ドルと、当初発表の1903億ドルから改定された。
第3・四半期の経常赤字は国内総生産(GDP)の3.7%に相当。第2・四半期の3.5%から拡大し、08年第4・四半期以来の高水準を付けた。
モノの輸入は100億ドル増加し、7164億ドルと過去最高を更新。石油製品と化学製品の輸入増で押し上げられた。
サービスの輸入は126億ドル増の1410億ドル。個人旅行のほか、海運と航空旅客が増加した。
モノの輸出は48億ドル増の4416億ドルと、過去最高。天然ガスと石油製品のほか、医薬品などが増加した。 一方、トウモロコシと大豆は減少した。
サービス輸出は1億ドル減少の1908億ドル。特許などのライセンス費用のほか、情報通信やコンピューター関連のサービスが減少した。
配当や従業員報酬などを示す第1次所得収支の収入は179億ドル増の2819億ドル。支出は86億ドル増の2337億ドルだった。
政府補助金や年金、罰金・違約金、海外就業者の送金を示す第2次所得収支の収入は1億ドル増の416億ドル。
オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の米国エコノミスト、マヒール・ラシード氏は「来年第1・四半期に新型コロナウイルスのオミクロン株拡散の影響がそれほど大きくならないと想定した場合、外国の消費が力強くなる一方で、米国の内需は沈静化すると予想され、米国の経常赤字は縮小に向かう可能性がある」との見方を示した。
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