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テンセント、JDドットコム株を配当で譲渡へ 164億ドル相当

ロイター / 2021年12月23日 15時45分

 中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は、中国電子商取引大手の京東商城(JDドットコム)株164億ドル相当を配当として株主に譲渡する。写真は北京で昨年9月撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京/香港 23日 ロイター] - 中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は、中国電子商取引大手の京東商城(JDドットコム)株164億ドル相当を配当として株主に譲渡する。

テンセントはJDドットコム筆頭株主の座を失うことになる。

テンセントは23日、保有するJDドットコム株のうち1276億9000万香港ドル(163億7000万米ドル)相当を株主に分配すると発表。これにより、テンセントの出資比率は現在の約17%から2.3%に低下し、米小売大手ウォルマートがJDドットコムの新たな筆頭株主となる。

テンセントは2014年に最初の出資を行ったJDドットコムについて、自己資金で成長できる段階に達したとして、保有株式を移転する適切な時期だと説明した。

ライトストリーム・リサーチのアナリスト、ミオ・カトウ氏は「これはパートナーシップや独占権などを弱めることで壁を壊し、巨大テック間の競争を高めるというコンセプトの延長線上にあるように思える。テンセントが拼多多(ピンドゥオドゥオ)やJDドットコムとの関係によってアリペイとの競争を維持している決済市場などに影響を与える可能性がある」と述べた。

JDドットコムの株価は23日序盤の香港市場で11.2%急落。20年6月の上場以来、1日の下落率としては最大となった。午後中盤時点では7%安。一方、テンセントの株価は4%上昇した。

両社は戦略的パートナーシップ合意を含め、ビジネス関係は継続すると説明。ただ、テンセントの劉熾平(マーティン・ラウ)総裁はJDドットコム取締役会から即時退く。

テンセントの適格な株主は、保有する21株につきJDドットコム株1株を受け取れる。

<さらに出資引き揚げも>

テンセントはJDドットコム株を含め、9月30日時点で1850億ドル相当の上場投資ポートフォリオを抱えている。この中には電子商取引企業のピンドゥオドゥオや食品デリバリー大手の美団、動画投稿アプリの快手、米自動車メーカーのテスラ、スウェーデンの音楽配信大手スポティファイが含まれる。

香港を拠点とする石壁投資(アルファレックス・キャピタル・マネジメント)の区偉志(アレックス・アウ)総経理は、JDドットコムの売却はビジネス的にも政治的にも理にかなっていると指摘。「テンセントが反トラスト要請に応じる一方、株主は少数株主として権益保有を求めているため、さらに出資引き揚げがあるかもしれない」と述べた。

ただ関係筋はこれ以上の出資を引き揚の予定はないとし、ピンドゥオドゥオと美団は、これらはJDドットコムのケースほど十分ではないとて指摘した。

関係筋によると、テンセントはJDドットコム株の急落や高額な税金を避けるため、株式を市場で売却するのではなく、配当として分配することを選択した。

光大新鴻基(エバーブライト・サンフンカイ)のアナリスト、ケニー・ン氏は「JDドットコムにとって、この影響は間違いなくマイナスだ」と指摘。「テンセントがJDドットコムの持ち株を減らしても、JDドットコムの実際のビジネスにはあまり影響がないかもしれないが、株式がテンセントからテンセントの株主に移転すると、JDドットコム株を売却する可能性が高まる」と述べた。

29%株式を保有するテンセントの筆頭株主である南アフリカのテクノロジー投資家、プロサスがJDドットコム株を最も多く受け取ることになる。

決済サービス「アリペイ」はテンセントのライバルであるアリババ・グループの傘下にある。

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