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中国の景況感、4月は一段と悪化 厳格なコロナ規制が打撃

ロイター / 2022年5月1日 7時0分

 中国の景況感を示す4月の購買担当者景気指数(PMI)は、政府と民間が発表したいずれの数字も一段と悪化した。厳格な新型コロナウイルス対策で多くの都市がロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済活動に深刻な影響が出ていることが鮮明になった。上海で16日撮影(2022年 ロイター/Aly Song)

[北京 30日 ロイター] - 中国の景況感を示す4月の購買担当者景気指数(PMI)は、政府と民間が発表したいずれの数字も一段と悪化した。厳格な新型コロナウイルス対策で上海など多くの都市がロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済活動に深刻な影響が出ていることが鮮明になった。

中国国家統計局が30日に発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が47.4と3月の49.5から予想(48.0)以上に低下した。非製造業は2カ月連続の悪化で、41.9で3月の48.4から41.9に低下した。

製造業と非製造業を合わせた総合PMIは48.8から42.7に低下した。

統計局は声明で、製造業の需要、供給双方の大幅減少をコロナ規制に関連付け「一部企業は主要原材料や部品の調達や完成製品の販売に苦労し在庫が積み上がっている」と述べた。

PMIの生産指数は49.5から44.4に、新規受注指数は48.8から42.6に低下した。

<物流に制約、新規受注減少>

財新が同日発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も46.0で、2年2カ月ぶりの低水準となった。前月の48.1から低下し、予想の47を下回った。コロナ対策の強化が事業活動やサプライチェーン(供給網)、需要に影響し、指数の低下につながった。

生産指数はコロナの流行が始まった20年2月に次ぐ2番目の大幅な低下となった。

新規受注は2カ月連続で減少し、2年超ぶりの低水準。物流の制約が新規の受注を困難にしたり、解約につながった。●新規輸出受注指数も20年6月以来の水準に落ち込み、経済で数少ない明るい分野にも陰りが出ていることをうかがわせた。

投入コストは高止まりしたが3月の5カ月ぶり高水準からはやや緩和した。

雇用指数は小幅低下。コロナ規制で職場への復帰が困難な企業もある。

財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「直近の感染拡大局面で多くの会社員、(単発で仕事を請け負う)ギグワーカー、低所得層の収入が減少し生活が苦しくなっている。当局が無視すべきでない事態だ」と述べた。

<冷え込む消費、景気後退のリスク>

政府は感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」を取る。このため上海をはじめとする数十の主要都市が完全または部分的なロックダウン(都市封鎖)下にあるとみられる。数億人が外出を制限され消費は落ち込んでいる。

アナリストからは、リセッション(景気後退)リスクが高まっており政府が5.5%程度という今年の成長目標を達成するには一段の景気刺激措置が必要との声も出ている。

中国共産党の最高意思決定機関、党中央政治局は29日、経済安定化に向け、中小企業支援などの支援措置を講じるとしたが、ゼロコロナ政策は維持する方針を示した。

アナリストは、ゼロコロナ政策を緩和しなければ、当局の景気テコ入れは困難さを増すと指摘する。ロックダウンによる経済活動の落ち込めに、金利引き下げや流動性供給拡大といった伝統的な政策措置の効果は限られるとみている。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は、政治局の発表について「メッセージは前向きだが、具体的な政策や実行が鍵だ」と述べた。

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