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熱中症対策に食後の“スイカ”! 漢方的健康法を伝授

ananweb / 2020年6月17日 19時30分

熱中症対策に食後の“スイカ”! 漢方的健康法を伝授

憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「ほてり」です。


今年も暑い夏がやってきますね。考えただけでぐったり…という人も多いのではないでしょうか。

夏の暑さは漢方では「暑邪(しょじゃ)」といって、自然界に存在する「熱邪(ねつじゃ)」のひとつ。長くさらされると体に熱がこもり、ほてりやのぼせなどを生じます。涼しいところで休めばたいていの場合は対処できるのですが、このとき体を守る「気」が弱っていたり、不調があるのに無理に活動を続けると、より強力な「火邪(かじゃ)」の侵入を招いてしまうことがあります。こうなるとさらに熱がこもり、最悪の場合はオーバーヒートが起こることも。これが、いわゆる熱中症と呼ばれる状態です。

実は、夏はもともと体内に熱が溜まりやすい時期でもあります。中医学では体の働きを「肝(かん)」や「腎(じん)」など「五臓」で表しますが、五臓にはそれぞれ呼応する季節があり、夏に元気になるのは「心(しん)」。心は、気や血を体に巡らせるポンプのような存在です。これが活発に働くことで熱がたくさん生産され、体にこもりやすくなるのです。

■ 天然の「白虎湯(びゃっことう)」、スイカを食後の習慣に。

内側でも熱がたくさん作られるうえ、高い外気温によっても熱が増えやすいのが夏の体。熱がこもった状態が続くと、熱中症のような疾病につながることもあります。熱を溜めない養生を、早めにスタートさせましょう。

まずは、体を極力熱邪にさらさないようにすることが基本です。帽子や日傘で太陽の熱をシャットアウトする、室内の温度調整が難しいときは無理をせずにエアコンを使う。どれも、夏になると必ず言われることですね。

プラス、漢方的養生として心がけてほしいのは、脂っこいものや甘いもの、味の濃いものを控えること。「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と呼ばれるこれらの食べ物は体に熱をこもらせる作用があるからです。反対におすすめしたいのがスイカ。体の熱を取るのによく使われる「白虎湯」という漢方薬があるのですが、スイカはそれに匹敵する「清熱(せいねつ)」作用があり、“天然の白虎湯”と呼ばれることも。朝出かける前や、食後の熱がこもりやすいときに口にしておくとよいでしょう。ただしキンキンに冷えたものは胃腸の負担になるので、なるべく常温に近い状態で食べてくださいね。

今年の夏至は6月21日。それを過ぎるといよいよ夏本番です。熱邪を寄せ付けない養生で、どうぞ健やかに。

さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。

※『anan』2020年6月24日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)

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