叶う!愛があふれる「七夕」。幸せになる願い事の書き方って?【7月7日~11日】
ANGIE / 2016年7月7日 12時7分
星空のロマンスは「永遠の遠恋」。引き裂かれた恋人同士、「織姫(おりひめ)」と「彦星(ひこぼし)」が、一年の中でたった一日逢える日が「七夕さま」です。
でも雨が降ってしまうと天の川の水かさが増し、織姫は彦星のもとへ逢いにいくことができません。皆さんが暮らす町は晴れていますか? それとも雨でしょうか?
七夕の夜に降る雨は「催涙雨(さいるいう)」といわれています。逢瀬が叶わなかったふたりの涙とも、やっと逢えたけれどまた離れ離れになってしまう悲しみに流す涙ともいわれているんですよ。
七夕の7月7日から11日頃は、七十二候「温風至る(あつかぜいたる)」。梅雨明けも近づき、雨のじめじめした日々に、ときおり差し込む太陽の光がまぶしい季節。七夕が過ぎると気温もぐんぐん上がり、風に乗って本格的な夏がやってきます。
今年の旧暦の七夕は8月9日。これから約1ケ月間、七夕気分を満喫しましょう! 今日のテーマは「七夕さま」。短冊の5色にちなんだカラーセラピーもご紹介します。
七十二候とは?
時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。
「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
【物語】星空のロマンス
むかしむかし、天の川の西岸に織姫という美しい姫君が住んでいました。織姫は機織りが上手で、美しい布を織り上げては父親である天帝を喜ばせる親孝行な娘でした。そんな娘の結婚相手を探していた天帝は、東岸に住む働き者の牛飼いの彦星を娘に引き合わせ、ふたりはめでたく夫婦になりました。
ところが結婚してからというもの、一緒にいることがただただ楽しくて、ふたりは仕事もおろそかに。このため天帝は怒り、ふたりを天の川を隔てて離れ離れにしてしまったのです。悲しみに明け暮れるふたりを不憫に思った天帝は、7月7日だけ再会することを許しました。
こうしてふたりは、天帝の命を受けたカササギの翼に乗って天の川を渡り、年に1度だけ逢えるようになったのです。
5色の糸から、5色の短冊へ。
わたしが暮らす杜の都「仙台」の七夕まつりは全国的にも有名ですが、行われるのは中歴と呼ばれる毎年8月6日~8日。町中に吹き流しが揺れ、夜遅くまで町は多くの観光客でにぎわいます。
新暦の七夕である7月7日から約1ケ月間、お部屋に願い事を書いた短冊を飾ってみませんか? 七夕の時季になると、花屋さんの軒下に笹が並びます。七夕飾りはいまや100円ショップでも手に入りますよ。
もともと短冊のかわりに飾られていたのは、機織りや裁縫が得意だった織姫にちなみ、5色の糸だったそうです。江戸時代から、糸が紙の短冊へ。短冊には、裁縫や書道が上手になりますようにという願いが込められていたそうです。
さて、短冊に使われる5色とは、いったい何色でしょうか?
ひと色ひと色に込められた願い
正解は「赤」「青」「黄」「白」「黒」。陰陽五行説に由来するといわれています。青は「木」、赤は「炎」、黄は「土」、白は「金」。黒は「水」。最近では黒のかわりに紫が多く使われているようです。
皆さんが今願い事を書くとしたら、どの色の短冊を選びますか? 無意識に選んだ色にも意味があります。それぞれ、こんな願いが隠されているかもしれません。
◆青を選んだ方「おだやかに、自由な気持ちで毎日を過ごしたい」
◆赤を選んだ方「やる気のスイッチをいれてエネルギッシュにがんばりたい」
◆黄を選んだ方「知的好奇心をもってワクワクと人生を楽しみたい」
◆白を選んだ方「新たな自分に生まれ変わりたい」
◆黒を選んだ方「過去の痛みを癒して、見えざる可能性にチャレンジ!」
ぜひ、お部屋に笹と5色の短冊を。日本古来の季節の行事を楽しむことは、立派な厄払い、招福につながりますよ。
願いを書きながら、癒しのひとときを。
七夕さまの季節になると、わたしはちいさな豆すずりを机の中から引っ張り出して、いにしえの人を見習って、短冊に願い事を書いたり、遠く離れた友人に手紙を書いています。
香りに深いリラックス効果があるといわれる墨をすりながら、1文字1文字、思いをしたためる癒しのひととき。今年は、亡き京都のお坊さまにいただいた豆すずりをおろして、短冊に願い事を。
七夕の主役である織姫はベガ、彦星はアルタイルという夜空に輝く星々です。七夕まつりは別名「星まつり」、前盆の行事ともいわれているんですよ。
日本では昔から、亡くなった魂は星になると信じられてきました。空にきらきらとまたたく星は織姫、彦星、そしてご先祖さまの愛の輝き。わたしたちの命は、ご先祖さまたちの出会いが生み出した愛の結晶です。そう考えると、七夕の夜空には愛がいっぱいだと思いませんか?
今年の七夕さまは、ご先祖さまに手を合わせ、未来の幸せを願って短冊を。きらきらと星がまたたき、今年こそあなたにたくさんの愛が降り注ぐでしょう。
【参考】お家で楽しむデイリーおみくじ 「福を呼ぶ 四季みくじ」三浦 奈々依、 観瀾斎/プレスアート、『くらしを楽しむ 七十二候』広田千悦子/泰文堂
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