eSIMで通話可能「HUAWEI WATCH 4」使って感じた独特のクセ
ASCII.jp / 2024年3月30日 12時0分
2月下旬からファーウェイの「HUAWEI WATCH 4」を使っています。ファーウェイ・ジャパンからお借りしたもので、使い始めて3週間ほど経ちました。筆者は、ファーウェイのスマートウォッチはこれまでに数モデル使ったことがあって、いずれもバランスの取れた機能や電池持ちに満足できました。
このHUAWEI WATCH 4も必要十分な機能を備えており、電池もそれなりに持つのですが、これまでに使ったウォッチとは若干異なる印象も持ちました。ちょっと「クセ」があるなぁと。HUAWEI WATCH 4については、4回にわたってレビューしていく予定ですが、今回はその「クセ」について掘り下げてみたいと思います。
HUAWEI WATCH 4はメインストリームの最新モデルのはずだが……
まずは、HUAWEI WATCH 4がどういう位置付けの製品なのかを、私なりの認識で説明しておきますね。
ファーウェイは2015年3月に初のスマートウォッチ「Huawei Watch」を発表して以来、徐々にラインナップを拡充し、現在は大きく3つのブランドに分けて展開しています。HUAWEI WATCH 4は「WATCHシリーズ」の最新モデルで、ファーウェイのスマートウォッチのメインストリームにあるモデルと言えます。
しかし、最近の売れ筋は「WATCH GTシリーズ」のようです。GTシリーズはWATCHシリーズよりも値頃感があり、されど十分な機能を備え、多彩なデザインから選べることも利点です。
そして、WATCH GTシリーズの下に「WATCH FITシリーズ」があります。上位モデルが円形の文字盤であるの対して、FITシリーズは文字盤が長方形で、コンパクトで軽いことが特徴。最近は、スマートバンドの「HUAWEI Bandシリーズ」との機能差が少なくなり、ファーウェイのウェブページでは「HUAWEI FIT/Band シリーズ」とまとめられています。1万円を切るモデルもあり、最も低価格のシリーズと言っていいでしょう。
なお、ほかにも高級感や高性能を追求したフラッグシップ「ULTIMATE DESIGNシリーズ」や、血圧計を搭載した「HUAWEI WATCH D」など、上記のシリーズには当てはまらないモデルもあります。
前置きが長くなってしまいましたが、HUAWEI WATCH 4は、メインストリームにあるモデルです。最先端のテクノロジーを搭載して、ユーザーインターフェイスにもこだわったハイエンド製品です。おそらく、ファーウェイが理想とするスマートウォッチの形はWATCHシリーズにあるのだと思います。ですが、それは、あくまでもファーウェイの理想で、日本のユーザーのニーズや使い方に合致していないように感じた次第です。
基本操作は一般的なスマートウォッチと同じ
HUAWEI WATCH 4の文字盤は円形で、3Dカーブガラスが使われています。金属のベゼルがないので、アナログ腕時計っぽくはなく、いかにもスマートデバイスといった風情です。
ケースの材質はサージカルステンレス。アレルギー性が極めて低いステンレスで、サビや酸化に強いことも特徴。バンドにも汗や熱に強く、耐久性に優れたフルオロエマストマーが使われています。
ディスプレイは約1.5インチの有機ELで、解像度は466×466ピクセル。非常に高精細で、文字盤デザインのカスタマイズも楽しめそうです。
右側面に上にホームボタン(回転リューズ)、下にサイドボタンを搭載。サイドボタンにはよく使うアプリを最大3つ設定できます。
ホーム画面を下にスワイプすると「クイック設定」、上にスワイプすると「通知」といった基本的な操作性は、いスマートウォッチと共通。左右にスワイプすると、素早く情報を見たり、アプリを起動したりできる「カード」が表示されます。1画面に多くの要素を統合したカードを表示できることは、大画面のHUAWEI WATCH 4ならではの利点。ですが、複雑なカードよりも、シンプルなアプリカードを表示させたいと思う人もいるでしょう。表示させるカードはカスタマイズできるので、「心拍数」「睡眠」といった、単一アプリのカードを優先的に表示させるようにも設定できます。
ヘルスケア&ワークアウトの機能も申し分なし
健康指標は、心拍数、血中酸素濃度、皮膚温、睡眠、ストレス値を計測可能。24時間自動でモニタリングする設定もでき、睡眠を除く4項目をまとめて測定する「Health Glance」という機能も備えています。
ワークアウトモードは100種類以上。WATCH GT シリーズに搭載されている「AIランニングプラン」機能もあり、自分の目的やランニング実績に合ったプランが生成され、目標達成に導いてくれます。GPSを搭載しているので、ペアリングしたスマホを携帯しなくても、ランやウォークの位置情報を記録し、あとでスマホの画面で振り返ったりもできます。
というわけで、ヘルスケアとワークアウトに関しては、WATCH GT 4に初搭載されて注目を集めた「ボディメーカー」を除けば、WATCH GT シリーズと同等の機能を備えていると考えてよさそうです。
eSIMで通話をしたり、好きなアプリを追加したりもできるが……
HUAWEI WATCH 4には、WATCH GT シリーズやWATCH FIT シリーズにはない、特筆すべき機能があります。eSIMをインストールして、音声通話ができるんです。
eSIM対応のスマートウォッチといえば、Apple Watch、Google Pixel Watchなどがありますが、それらはスマホが近くになくても、スマホと同じ電話番号で通話ができる仕組みです。しかし、HUAWEI WATCH 4のeSIMは、スマホとは別の電話番号のeSIMを取得してインストールする仕組み。どうやら、国によってはスマホと共通の番号にできるようですが、日本では今のところダメなようです。
プリインストールされているアプリの中に「HUAWEI Wallet」というアプリがあります。タップして説明を読むと、クレジットカードを登録して、タッチ決済が利用できそうな雰囲気なのですが、日本は非対応。
「AppGallery」というアプリもあります。これはファーウェイのアプリマーケットで、WATCH 4で使いたいアプリを検索して追加できます。が、普段、iPhoneで使っているようなアプリが見つかるわけではありません。例えば「LINE」「Facebook」などと入力して検索しても「見つかりません」と表示されてしまいます。
クセの原因は「Harmony OS」にアリ
HUAWEI WATCH 4のOSは、ファーウェイ独自の「Harmony OS」です。先述の「Wallet」や「AppGallery」は、Harmony OSに紐づけられる機能で、おそらくHarmony OSを搭載したスマホを使っていれば、ものすごく便利に活用できるのだと思います。
完成度の高い端末なのに。どう使えばいいかがわからないアプリがあったり、使おうとしたら不便だったりするのが、筆者がWATCH 4に感じた「クセ」のようです。ただし、「クセ」って決して悪いわけではなく、個性でもありますよね。次回、さらに使い込んだレポートをお届けします。
筆者紹介――村元正剛 iモードが開始された1999年から携帯電話市場を追い、新機種のレビュー記事などを多くの雑誌やウェブに寄稿。最近はスマートウォッチやワイヤレスイヤホン、スマートスピーカーなど、スマホとつながるデバイスにも興味を深めている。編集プロダクション・ゴーズの代表で、スマホ関連の書籍/ムックの編集も手がけている。
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