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〈35歳差夫婦〉ママ友から「おじいさんですか?」と…68歳で父親になった男性が明かす、34歳の妻との“育児観の違い”

文春オンライン / 2025年1月11日 11時0分

〈35歳差夫婦〉ママ友から「おじいさんですか?」と…68歳で父親になった男性が明かす、34歳の妻との“育児観の違い”

左から裕さん、こつぶちゃん、潤雅さん

 共にミュージシャンであり、YouTubeチャンネル『コアライオン年の差Life』を運営する、35歳差の夫婦である塩崎裕(しおざきゆたか・69)さんと黄潤雅(ホァンユナ・34)さん。

 10回の人工授精の失敗と顕微授精を経て、2023年5月に女児が誕生したふたりに、出産時の様子、産婦人科ではなく助産院での出産を選んだ理由、35歳差から生じる育児観の違いなどについて、話を聞いた。(全2回の1回目/ 続き を読む)

◆◆◆

昨年の文春記事の反響

ーー2023年4月に取材させていただきましたが、どのような反応が。

黄潤雅(以下、潤雅) 私らから「載ったよ」とは言ってなかったんですけど、みんなあの記事を読んでくれてはるね。

塩崎裕(以下、裕) どうやって出会ったとか、一緒になったとか、僕らのことをいちいち説明するのがジャマくさいんで「文春見てください」って言うんですよ(笑)。

潤雅 そうそう。 記事のリンク を送っちゃったりするね。塩さんの離婚の経緯とか体外受精で子供がやっとできたとか、一番赤裸々に話をさせてもらったのが文春の記事なんですよ。私たちのこと、結婚してすぐに子供ができたって思ってる人も少なくないと思うんですけど、「そうじゃなかったんだ」って。「子供ができるまでが大変やったんやな」っていうことがわかってもらえる記事なんで、「頑張ってるね」って言われることが多いですかね。

助産院で初産のこつぶちゃんを自然分娩

ーー娘さんの「こつぶちゃん」が誕生したのが、取材から1ヶ月後の2023年5月。裕さんが68歳、ユナさんが33歳での出産になったと。出産前は、どのような心境でしたか。

 ユナは初産なのでね。まず、そこは心配でした。あと「できるだけ帝王切開とかそういうのも一切なしで自然分娩したい」ってことで、助産院で産むことにしたんですけど、「助産院って、どうなんだろう」って少し思ったりして。

潤雅 塩さん、メッチャ心配性やからね。私は自然な分娩をしたかったから、なんやったら水中出産とかがいいとか言ってたんですけど、塩さんは「そんなの耐えられへん。できるだけ、リスクのかかることはやめてくれ」って。で、ふたりでギリギリ譲り合えるところで、大きな病院と連携ができてる助産院なら、自然分娩でいいよってなって。緊張してたのは、私よりも塩さんやと思います。

 結構遠いところまで行ったりして、いろいろ助産院を見て回って。最終的に決まった助産院が、アットホームな感じで、みなさんフレンドリーで。「ここなら安心だな」と、すぐに思えましたね。

潤雅 そこの助産師さんは、母が弟を取り上げてもらったベテラン助産師さんを知っていたんですよ。それも決め手で。「ああ、◯◯先生ね。うちもよく研修に行かせてもらった」とか言ってたので安心して。

へその緒が巻いていたので「踏ん張るスタイルで」…

ーーまったくの安産でしたか?

潤雅 陣痛がトータルで12時間くらい続いて。でも、ちゃんと子宮口が開いてないと、助産院に行っても返されるんですよ。だから、耐えに耐えて。一回、助産院に電話して状況を伝えたら「まだしばらく待っといてください。お風呂でも入ったら?」って言われたんですよ(笑)。痛みにはわりと強いタイプなんですけど、「これ結構スゴいかも」って痛さで。

「これはギリギリやと思うんですけど」ってもう一回電話したら、「ほんなら一回見てみようか」って言われて、助産院に行ったら子宮口が6センチにまでになってたので分娩台に乗って。

ーーそこからスルッと。

潤雅 いや、そこから4時間。

 立ち会いでユナのすぐそばにいたんですけど、大変でしたよ。「あ、来た来た来た」ってなるたびに、ウーンとか言いながら、いろんな体勢になって。それでも、なかなか出てきてくれなかったんですけど。

潤雅 分娩台で足を開くだけではなく、下を向いてみたりとか、ボールにつかまってみたりとか、いろんな体勢になったんですけど、最終的には和式便所で座るような感じの踏ん張るスタイルで。それでもなかなか出なくて。どうしてかというと、へその緒が2周巻いてる状態で。それで心音が弱くなったら大きい病院に移るんですけど、心音は元気なままだったので「このままいこう」って。へその緒が巻いてるときは踏ん張るスタイルが一番出てくるって言われて、そうしたらこつぶちゃんが出てきました。

ーー産まれて、夫婦で号泣。

潤雅 全然泣けへんかったね。「イェーイ」ってカメラで撮ってた(笑)。なんやろ。喜びのほうが勝ってたのかな。

 なんか、ドワーッと脳に来てるんですよね。

潤雅 そうやね。ナチュラルハイやったんやろうな。

 やっぱり、出産のその場に一緒にいるから。付き添いした人はみんなそうだろうけど、「一緒に産んだんだ」みたいな気持ちがどこかにあるわけで。ユナは、それが思いっきりできる助産院でないと嫌やということだったんだよね。

赤ちゃんの顔を見て「うちらの子や」と実感

潤雅 そう。「産まれて、血だらけのままで抱っこしたい」って、助産師さんにお願いしてて。本当にそのまま、へその緒が付いた状態で私は抱っこしました。ほんとは、そのまま塩さんにも抱っこしてほしかったんですけど、さすがにアレなんで、へその緒を切って、毛布を巻いてから塩さんに渡して抱っこしてもらって。

 まあ、その時は感動ですよね。

潤雅 あと、とにかくホッとした。赤ちゃんの顔を見た瞬間「あ、塩さんや」と思って。うちら、やっぱり体外受精なんで、産まれるまでわからへんというか、本当に私たちの子なのかなって。外でできた卵を孵(かえ)している状態なので、不安で不安で。赤ちゃんの顔を見たことで「うちらの子や」と実感した。

 人工授精を10回くらい失敗して、顕微授精をして授かったわけですからね。こつぶちゃんが、長い道のりを経てやってきたような感じなんですよね。

裂けた会陰部の痛みがひどくて…

潤雅 でも、感動は一瞬というか。そのあとがてんやわんやで。こつぶちゃんが産まれたときに裂けちゃった痛みもあるし、ハイになってるし、おっぱいをあげないといかんし。ただ、あげるといっても、まだ母乳は出ないから、出るまでの間は空飲みするんですよね。こつぶが泣いたら、起きて、空飲みさせるっていうのが、3時間ごとにあって。もう、産まれた直後から育児スタートなので、感動してる時間なんて、ほんとに一瞬でしたね。

ーー「産まれたときに裂けちゃった痛みもあるし」とのことですが、会陰切開をしたのですか?

 切開したんじゃなく、何カ所か裂けたんですよね。

潤雅 助産院だと、お医者さんがいないから会陰部が裂けてしまう前に切ることができなくて。産婦人科だと会陰切開はできるんだけども。産んだあと、裂けたところを縫うのが一番痛くて。陣痛とか産まれたときよりも、痛かった。さらに、中もただれたりとかっていうのもあって。

 普通は産んでから1カ月したらだいぶ歩けるようになるみたいですけど、私は立ちながら授乳しないといけないくらいの痛みがずっと続いて。まともに座ることもできなかったですね。

 縫ったところの抜糸は、いつしたんやっけ?

潤雅 1週間検診で助産師さんが私たちのところに来てくれるんですけど、そこで抜糸して。溶ける糸で縫ってたんですけど、溶けずに残ってる糸があったんですよ。抜いてもらって、ちょっとマシにはなったんですけど、そこからがまだまだぜんぜん痛かったから。大小、トイレするのも大変で。

 全然やったな。すごい時間かかった。

潤雅 そうそう。100日ぐらいで、落ち着いてきたかな。そこで、改めて「産まれた」って実感がきちんと湧いた気がする。

うちは母乳でいきたかったから

ーー育児は分担して?

潤雅 そうですね。でも、「塩さん、これをお願い」みたいにキッチリ分担してるわけじゃなくて。会陰切開の痛さもあったけど、産んでから何回も乳腺炎になってるんですね。そっちの痛みもあったりで、分担とか言ってる場合じゃなくて、「痛くて、これできひんからやって」とか、その時その時の臨機応変な感じで。でも、オムツ替えは最初からやってたよね。

 うん。当たり前だけど、おっぱいは絶対にユナしかあげられない。普通やったらお父さんがミルクをあげたりとかしますけど、うちは母乳でいきたかったから、それがないので。

ーーでは、ミルクは一切飲まさず。

潤雅 ミルクは、5個入りの支給品を助産師さんからもらったんですよ。そのうちの2つを使ったくらいで。退院したばっかりのときに、母乳を飲んでるかどうかわからへんから、とりあえずミルクをあげておこうかって。それぐらいしか使ってなくて。

 だから、哺乳瓶も用意したけど、ほとんど使ってない。

潤雅 母乳に関しては「出るか出えへんか」じゃなくて、「出さな」って気持ちになってくると、どんどん出てきたので。母乳の質をよく保つために、3時間以内に必ず飲んでもらう桶谷式母乳育児というものがあって。その授乳法だと断乳もしやすいと言われているんですよ。それで、3時間おきに起きてはおっぱいをあげてたのでヘロヘロで。それもあって傷の治りも遅かった気がする。ただ、私の母が家事とかやってくれたので、そこはすごく助かりましたね。

塩さんは2回目だけど子育ては初めて

ーー裕さんは離婚した元パートナーの方との間に、37歳の娘さんがいらっしゃいますよね。今回、37年ぶりの育児になりますが、ブランクがかなりありますから感覚的に初めての育児に近かったのでは? 35歳というおふたりの年齢差による、出産や育児の捉え方の違いも出てくるでしょうし。

 それはあると思います。僕がやってしまうと古い考えがどうしても入ってしまうので、ユナの考えを優先するようにしていて。まあ、古い考えが入ってしまうといっても、前の子供のときはそこまで育児に接していなかったんですよ。いまは一緒に育児をやっているのもあるし、毎日新しいことに出会っている感じなんですね。

潤雅 私たちみたいに「うちは30歳差です」「32歳差なんです」っていうご夫婦といろいろ出会うことが多いんですけど、夫が年上の場合だと奥さんが「2回目の子育てをしっかり担ってくれてありがとう」って、インスタとかに投稿してたりするんです。

 私もそういう投稿を見て、「そうやな、塩さんも2回目の子育てになるよね」とか話してたんですけど、塩さんって子育てをほとんどしたことがないんですよ。「よく考えたら、そうやった……」ってなりましたね。

 オムツを替えたのも1回あるかどうか、一緒にお風呂に入ったのもどうかってぐらいだったらしいです。

 沐浴をしたくらい。桶に浸けて洗ったのは覚えてる。

潤雅 塩さんは、ずっとフリーランスで働いてきたけど、37年前だとフリーランスの人でも「子育ては母がやるもの」「子育ては妻の領域」みたいなイメージを抱いてたんですよ。こつぶちゃんが生まれても「ああ、子供を持つのは2回目か」ぐらいのイメージだったんですよ。それが子育てに関する、私と塩さんのジェネレーションギャップですかね。

ーー今回は37年ぶりの育児ではなく、初めての育児みたいなものだと。

潤雅 だから、逆に楽しくて仕方がないみたい。私に「こんなことあんねん」って、発見したことや気づいたことを教えてくれるし。楽しさや驚きがあるから、意外となんでもできちゃうみたいで。

 最近になって断乳もしたので、塩さんにこつぶちゃんを任せてちょっと外に出ることもできるようになって。そうなると、塩さんとこつぶちゃんだけの濃い時間もできるから、こつぶも懐きますよね。「ダディ、ダディ」って言って懐いていて、私よりも塩さんのことがメッチャ好きやからね(笑)。

「おじいさんですか?」って…

ーーいまは保育園の送り迎えとか、お父さんが普通にしていますよね。共働きが多いなどの背景もあるでしょうけど、僕らが子供の頃とは明らかに子育ての風景が違います。

潤雅 みんなで子育てするのが当たり前やけど、そうじゃない時代に子供をもうけた塩さんからすると、目からウロコみたいなことが多いみたいですね。子育て支援の一環で、保育園に入る前の子たちを遊びに行かせられる場所があるんですよ。そういうところがあることに塩さんは驚いていたし、逆にほかのお母さん、お父さんは、塩さんを見て「えっ?」みたいな。

 おじいさんだから。

潤雅 「おじいさんかな?」「あれ、なんか違うっぽい。どういう関係なのかな?」「こつぶちゃんのパパ……あ、そうなんや……」って反応になりますね。保育園の見学でも、そんな感じで。

ーー夫婦でいると父と娘、親子3人でいると父と娘と孫に見られる。

潤雅 みんな「うん?」となって「年の差夫婦なんですけどね」って説明から始まるんですけど、見学に行った保育園の先生は「そんなん全然。子供が幸せやったら、なんでもいいですよね」みたいに言ってくれて。

 実際、何回か言われたことありますからね。「おじいさんですか?」って。

〈 SNSで「片方が年取ってたら、まともな子は産まれない」と…35歳差夫婦が語る、産後の周囲の反応と2人目をめぐる夫婦の攻防 〉へ続く

(平田 裕介)

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