日産ジューク ニスモ(NISMO)新車試乗評価 ようやく登場した通好みの逸品、その上お買い得なジューク ニスモを評価する!【レビュー:日産】
CORISM / 2013年4月10日 7時7分
満を持して登場した日産のスポーツブランドを象徴するジューク ニスモ(NISMO)が登場!
日産のモータースポーツ部門を受け持つニスモ(NISMO)は、先に大森から横浜へと本社を移したが、そのニスモ(NISMO)が企画したジューク ニスモ(NISMO)が今年1月に発売された。
これまで、ニスモ仕様のモデルというと、GT-RやフェアレディZなどのスポーツカーが対象になっていた。それらに比べるとライトなチューンながら、ニスモファンを広げる新しいモデルとしてジューク ニスモが設定された。
モータースポーツシーンでは、スーパーGTのGT500でGT-Rが3年連続でシリーズチャンピオンを獲得しており、ニスモファンは多い。そうしてファンに、いろいろな車種のエアロパーツなどニスモ製品が良く売れた実績があった。
そこで、今回は、日産車の中でも人気の高いジュークをベースに、幅広いユーザーをターゲットにニスモ仕様に仕上げたモデルを投入した。
実は、こうしたニスモのブランド戦略は、一昨年の東京モーターショーのときに発表されており、今回のモデルは、その戦略に基づく高性能プレミアムスポーツバージョンの第一弾となるモデルだ。
■日産ジューク NISMO(ニスモ)新車情報/購入ガイド ニスモ復活の狼煙は、ジュークのコンプリートカーから!
■辛口新車評価はCORISM(コリズム)
スーパーGTからフィードバックした、空力的にも意味のあるエアロパーツ類
外観デザインの変更は、控えめながら実質本意。見た目は赤いドアミラーとボディの下の部分に採用されたレッドのラインなどが目立つ感じだが、モータースポーツからのフィードバックを折り込んだ空力特性に優れた前後バンパーを採用するなど、意味のある改良が加えられている。これらによってダウンフォースは37%も向上したという。
ほかに専用のフロントグリルやルーフスポイラー、サイドシルプロテクター、ワイドタイヤに対応したオーバーフェンダーなどがNISMOの専用仕様となる部分で、良く見るといろいろな部分に変更が加えられている。ジュークのユーザーなら、その違いがすぐに分かるだろう。
インテリアにもいろいろな変更が加えられた。専用のスウェード調シートを始め、本革&アルカンターラ巻きステアリングや専用のフィニッシャーやコンソール、ドアトリムなどが採用されてぐんとスポーティな雰囲気が作られている。随所に、ニスモレッドを配することで気分を盛り上げる。
パワーアップしたエンジンに、引き締められた足回りなど、数々のオリジナルパーツを投入
運転席に乗り込むと、スポーツシートのホールド性の良さがすぐに分かる。サイドサポートの盛り上がりは乗降性を悪化させない程度に抑えられているが、シートに収まると体がしっかり固定されるからだ。
握りの部分にアルカンターラが採用されたステアリングは、握った感触がとても良く、指が滑らないので確実な操作を約束してくれる。
ジューク ニスモのベース車は16GT-FOURで、そもそもがパワフルなエンジンを搭載する4WDモデル。そのエンジンも、チューニングを受けて147kW(200ps)/250N・mへと動力性能の向上が図られた。足回りも専用のサスペンションと18インチタイヤが装着されたので、走りのフィールは大きく変わっている。
走り出した瞬間に、しっかりした感じの硬めの足回りによってジューク ニスモであることが実感できる。マンホールの出っ張りや段差を越えるときのショックがけっこうきついので、日常シーンではちょっと辛いかなと思わせるような乗り心地なのだが、いかにもスポーツモデルらしい硬さであり、速度が上がっていくと硬さよりも安定感の高さが感じられるようになる。
動力性能の向上は実感できるものではないが、そもそもがやんちゃな感じのあるパワフルなエンジンを搭載していただけに、専用チューニングによって元気の良さが増した感じになる。トルク感の向上による力強さは、市街地などでの走りやすさにもつながっている。
トルクベクトル付きのオールモード4×4は、ベース車にも標準で、これによって操縦安定性のレベルが高められている。後輪左右へのトルク配分はごく自然に行われるので、ユーザーがそれを意識することなく乗れるのが良い。
インパネ内のインジケーターに駆動力の伝達が図式化されて表示されるので、それを見て納得するような形になる。この表示はもう少し大きいほうが見やすい。
トランスミッションは、7速マニュアルモード付きのCVTだけの設定。通常の6速から7速に刻みが増やされ、クロスしたギアレシオによってマニュアル車感覚の走りがより楽しいものになる。こうなるとシフトレバーの操作ではなくパドルが欲しくなる。
超お買い得な価格設定。より個性を求めるのなら、選んで損なしのパフォーマンス!
日産ジューク ニスモには、285万円ほどの価格が設定されている。ベースの16GT-FOURタイプVに比べると40万円くらいの価格差があるが、ジューク ニスモに施された仕様を考えたら、超割安な価格という印象を受ける。
仮に16GT-FOURを買って、ジューク ニスモに匹敵するような仕様に仕上げようとしたら、倍の80万円の予算をかけても足りない計算になるからだ。ジューク ニスモは日産が生産したクルマにニスモが手を加えるのではなく、ニスモが企画したクルマが日産の生産ラインで作られる。だから、リーズナブルな価格で差別化された仕様が手に入るのだ。
ジュークは個性的なデザインが人気を集めて、割と良く売れているだけに、ジュークを買うなら並みの仕様ではない個性的なモデルが欲しいと考えるユーザーも多いはず。そんなユーザーにとって絶好の1台になると思う。
日産ジューク ニスモ価格&燃費、スペック等
<車両概要>
■モータースポーツで培われたエアロダイナミクスデザインと専用エクステリア
・ NISMOならではのエアロダイナミクステクノロジーを導入することで、ダウンフォースを約37%向上させ、走行安定性向上。
・ 両サイドをワイド化し、センター部の先端を持ち上げた形状にすることで空気抵抗を低減しながら、ダウンフォースを向上させるフロントバンパー
・ フロア下面への空気の流入を抑え、リフトを低減するサイドシルプロテクター。長さを延長し、角度を最適化することで空気抵抗を低減したルーフスポイラー(ハイマウントストップランプ付)
・ 専用エクステリア
・ 専用エンブレム
・ 専用フロントグリル
・ 専用リアバンパー
・ 専用オーバーフェンダー
・ 専用エキゾーストフィニッシャー
・ ドアサッシュ(グロスブラック)
・ フロントコンビランプ(ダーク調)
・ LEDハイパーデイライト(車幅灯連動)
・ 専用レッド電動格納式リモコンカラードドアミラー(ドアロック連動自動格納機能付)
■ドライバーとクルマの一体感を高める専用インテリア
・ 専用のデザインや素材を採用したシートやステアリングを装備。全体をブラックで引き締めながら、随所にレッドのアクセントを用いたインテリア。。
・ サポート性を向上させ、滑りにくいスエード調の素材を採用した専用シート(NISMOロゴ入り、レッドステッチ付き)
・赤いセンターマークを配置した日産初の本革・アルカンターラ巻の専用ステアリング(レッドステッチ付き)
・ 赤い文字盤にNISMOロゴを配した専用タコメーター
・ レッドリングの専用プッシュエンジンスターター
・ 専用フィニッシャー(センタークラスター、エアコン吹き出し口、シフトノブ、シフトベース周り、パワーウインドウ、フロントセンターコンソール)
・ ルーフトリム(ブラック)
■出力を向上させたエンジンと専用にチューニングされたエクストロニックCVT
・ 出力とトルクを向上させた1.6L直噴ターボエンジンと7速クロスレシオ化したマニュアルモード付きエクストロニックCVTを採用
・ ターボチャージャーの過給圧制御をよりスポーティにチューニングし、出力を7kW(10PS)、トルクを10Nm(1.0kgf・m)向上させ、147kW、250Nm(200ps、25.5kgf・m)を発生する専用MR16DDTエンジン
■運転が楽しい、スポーティな専用のサスペンション
・ 欧州で徹底した走り込みを行い、スポーティなハンドリングと上質な乗り心地、高速安定性のトータルバランスを高めた
・ 中高速度領域におけるパワーステアリングのアシスト量を強くすることで、より安定感の高い ステアリングフィールにした
・ トラクションとコーナリング時のグリップ性能を向上させる225/45R18のワイドタイヤと専用18インチ アルミホイールを装備
・ 欧州でチューニングされた専用サスペンションにより、俊敏なレスポンスと高いコントロール性を実現
■その他
・キセノンヘッドランプ(ロービーム/オートレベライザー付)
・Sパック(運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステム、後席アシストグリップ(左右))
■日産ジュークNISMO価格
・2,850,750円
日産ジューク ニスモ動画
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